第27話 ページ29
家に帰ってやっと気づいたんだが、掌を怪我してんのにバスケなんてするモンじゃないね。
お察しの通り、傷が開いてた。
まぁ、バレーにしてても同じことだったろうし。
「いって…」
消毒液はやっぱり染みる。
明日はどんな嫌がらせが待ってるだろうか。
もっと頭を使ったものになってると良いけど。
今日はもう寝よう。
疲れてしまった。
___
「おはよう。Aちゃん。」
「うん、おはよう。」
今日も朝練終わりであろう仙道くんにあった。
「左手、大丈夫?」
「うん、ありがとう。大丈夫だよ。」
ガラリと教室の扉を開けるとシン…と教室が静まり返る。
まぁたなんかしたのかあの女。
と思って見てみれば、怯えた表情をして涙を浮かべる。
「どうかしたの?」
この子はクラスでも大人しい方だ。
どうせ周りも噂に踊らされてるんだろう。
「肋角さん…」
「あの子を切ったって本当なの?」
はーん(察し)
「なんで?」
「え?」
「なんで?私がそんなことする必要があるの?」
「あっ…」
根拠もねぇのにいってんのかよこいつ。
「ねぇ、貴女。」
さっきから蹲るだけで一言も発しないナイフを持っていた女に話しかける。
「私にどこを何で切られたの?いつ?時間は?」
「え、あ。」
「ねぇ、私の左手の傷は説明しても良いの?」
「ぅっ…」
「Aちゃん。泣いてる。」
よくそんなんで嘘がつけたな。
「みんな昨日見てたでしょ。私の机の上に花瓶とそこにユリの花がさしてあったこと。昼にこの子達に腕引っ張られて連れて行かれるのを見てた人もいるはずだ。」
ユリじゃなくてアルストロメリアだけど。
何より、怪我したのは彼女じゃなくて私。
とまでは言わなかった。
自分で傷つきに行ったようなもんだし。
「ま、良いよ別に。ただ、片方の言うことだけを鵜呑みにするのは頂けないってだけだし。」
「ほら、予鈴なるよみんな準備しないと。」
のうたりんどもが。
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海嘯(プロフ) - もちさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて光栄です! (2020年2月1日 21時) (レス) id: fc5868216e (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - 最近スラダンにハマり、中でも仙道さんが大好きなので嬉しいです…!素敵な小説ありがとうございます! (2020年1月16日 0時) (レス) id: 64dfba108e (このIDを非表示/違反報告)
海嘯(プロフ) - ピースさん» お待たせしました。楽しんでいただけると幸いです! (2019年10月13日 23時) (レス) id: fc5868216e (このIDを非表示/違反報告)
ピース(プロフ) - 続きを楽しみにしてます(^^)v (2019年9月15日 18時) (レス) id: b10b7fd267 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海嘯 | 作成日時:2019年1月21日 21時