鬱くしき恋 …… (ページ5)

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高校卒業を機に

お互いの両親の承諾を得て

同棲を始めた。

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だから、毎日顔を合わせて

会話をするだけでも

凄く幸せな日々。

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今日は晩御飯なににしようか？

とか

今日はこんな事があったよ

とか

一見、そんな他愛のない言葉でも

私にとっては凄く重要。

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というのも

私には父親が居ないからかもしれない。

もう、物心ついた時から

父親の顔なんて知らない。

だから

夫婦仲良くとか

家族旅行とか

他愛のない会話を交わしている所なんて

見た事も聞いた事もない。

当然、私は一人っ子だし

母は仕事で日中は家に居なくて

ずっと独りぼっちだった。

ずっと寂しかった。

でも
その寂しさを紛らわしてくれたのは

大志

千紘

そして、亮

この3人だった。

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だから、私は

例え他愛のない会話でも
必要のない会話でも

絶やしたくはない。