で れ で れ な き み と -NaNiWa-

橙 … 同居人 5 ページ10

*



「 結局のところは、Aも俺のこと好きなんやろ？ 」



「 ちゃうから。 ほんまナルシスト 」



「 でも、ドキドキしたやろ？ もっかいちゅーして試す？ 」



「 結構です 」



「 Aの唇、やわらかかった〜 」



「 唇なんてみんなそんなもんでしょ 」



「 じゃあ、他の子で試してこよ 」



立ち上がった大吾の手を、慌てて掴む。



「 ん？ どうしたん？ 」



「 ……………… だめ、行っちゃだめ 」



なんでこんなこと言ってんだろ。 我にかえって手を離そうとすると、逆に掴まれる。



「 しゃあないなぁ。 こーんな可愛い子以外に、ちゅーなんかできひんわ〜 」



「 からかうな、あほ …… 」



「 からかってへんもん。 A、知らんもんな。 俺さ、最近、Aの寝顔見るんが日課やねんけど 」



「 何それ！ 変態やろ！ 」



「 もー、傷つくわ〜。 Aの寝顔見て、かわいいなぁ〜って思ってんの 」



"俺だけの特権やしな" なんて笑ってるけど、大吾、私の部屋に勝手に入ってるんや。



「 いつか結婚したら、同じベッドで寝よな 」



「 寝ぇへんし 」



「 結婚は否定せんねんな！ 」



「 ……………… 」



これから一生、大吾に振り回される予感。



*fin*

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