そういうところが ページ3
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二人で警戒しながら逃げていると、
洞窟の中で聴いた鋭い耳鳴りをまた感じた。
ヘッドフォンをしようにも、今それは持ち合わせていないし、耳を塞ぎながら走るわけにもいかない。
仕方なくそのままにしていたが、だんだん耳鳴りは大きく響いてきて、ついに私は走っている足を止め、その場に蹲ってしまった。
一「A!?大丈夫か!?」
A「ごめ・・・大丈夫、じゃない。
なんか、耳鳴りすごくて・・・」
―――キィイイギギギ
―――ァァアア
A「ぐッ・・・はぁ、はぁっ・・・」
さらに大きさを増す耳鳴り。
きっとかなり恨みを持たれて殺された人間が近くにいる・・・
思い当たる人は、一人しかいないけど。
A「ごめん、はじめ、足手まとい・・・だよね。置いてって、いいから」
私のせいで真犯人が
分からないままはじめが捕まるなんて嫌だ。
悔しいけど、
耳鳴りのせいで頭がくらくらして歩けそうにないし、今になってケガも痛み出した。
ここは、はじめ一人で逃げてもらうしか・・・
一「俺がAを置いて行くわけないだろ!
ほら、行くぞ」
はじめはちょっと無理矢理私を立たせると、
私の左腕を自分の首に回し、私の体を支えた。
A「ちょ、それじゃ逃げられないじゃん・・・!」
一「いいから!
こんなとこにAを一人になんかしねーよ」
そう言ってはじめは歩きだした。
・・・ほんと、バカじゃないの。
一瞬、私を背負おうとしてやめたのは、私が右腕を怪我してて上手くしがみつく事が出来ないって思ったからだよね。
あーもう本当・・・
はじめってよく考えてくれてるよ。
・・・・そういうとこ、好きだな。
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ひつじ(プロフ) - めっちゃ面白いです!このシリーズ大好きです!更新頑張ってください (2016年6月29日 0時) (レス) id: a5485841ff (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 面白いですー! (2015年3月28日 9時) (レス) id: 9c63442bca (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - ふわりさん» こんなしょうもない小説を面白いと言っていただき嬉しいです!次回もぜひご覧ください!! (2014年12月22日 20時) (レス) id: 1b53bac544 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 輝莉花さん» ありがとうございます!先程更新したのでぜひ見てください!d(゜∀゜) (2014年12月22日 20時) (レス) id: 1b53bac544 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり - お疲れ様でした!最高に面白かったです!次回も楽しみにしてます! (2014年12月22日 20時) (レス) id: 26e01552b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レナ | 作成日時:2014年10月26日 19時