これからは、恋人として ページ14
*
それって・・・どっち、なんだろう?
美雪のほうが大切なのか、
私のほうが大切、なのか。
一「美雪はもちろん大切だよ。
なんだかんだで俺のこと気にかけてくれて、姉ちゃんみたいな存在。
でも・・・Aは違う。
家族じゃなくて・・・
なんて言ったらいいかわかんねーけど・・・
俺が、俺自身が・・・幸せにしたい、
そう思える存在なんだ」
A「は、はじめ・・・」
一「・・・好きだよ。
俺は、Aのことが昔から大好きだ」
いつもみたいな無邪気な笑顔じゃなく、大人っぽい、優しい笑みを浮かべるはじめ。
A「・・・ッ」
気づけば、私は涙をこぼしていた。
ずっとずっと不安で、我慢してたのに・・・はじめのその一言を聞いて、全部崩れちゃった。
一「A、お前何泣いてんだよ・・・」
A「だ、だって・・・グスッ・・・はじめが、そんなこと言うから・・・」
一「俺のせいかよ?」
はじめは笑いながら、私の頬を伝う涙を、自分の指で拭ってくれた。
一「・・・で、返事は?」
A「へっ!?」
一「俺の好きな人聞いて来たのはAだろ?じゃあ俺の質問にも答えてよ」
A「・・・わ、私も・・・」
一「私も?」
A「・・・私もはじめが!
・・・す、好き、だよ・・・」
最後の「好きだよ」は、
ごにょごにょと小さく呟いたので、聞こえるか聞こえないかくらいの大きさだった。
でも、その言葉ははじめに
ちゃんと届いたようで・・・
一「ッ」
A「うぇ、ちょ・・・!?」
勢いよく腕を引っ張られたと思ったら、
すっぽりとはじめの胸の中に
閉じ込められてしまっていた。
一「はぁ〜安心した・・・
断られたら、どうしようかと・・・」
A「な、なにそれ」
一「不安だったんだよ」
そう呟いたはじめの声は、なんだか弱弱しくて、思わず私は笑ってしまった。
なんだ・・・不安だったのは、
私だけじゃないんだね。
私はゆっくりと、はじめの背中に手を回して、抱きしめ返した。
一「・・・これからは恋人として、よろしくな」
A「・・・こちらこそ」
〜ドアの外にて〜
美雪(やっと両思いになったんだ・・・!)
佐木(ほんと、グスッ・・・よがっだッ・・・)
龍(さ、佐木さん泣いてるんですか!?)
佐木(あ、安心して・・・ひっく)
106人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひつじ(プロフ) - めっちゃ面白いです!このシリーズ大好きです!更新頑張ってください (2016年6月29日 0時) (レス) id: a5485841ff (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 面白いですー! (2015年3月28日 9時) (レス) id: 9c63442bca (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - ふわりさん» こんなしょうもない小説を面白いと言っていただき嬉しいです!次回もぜひご覧ください!! (2014年12月22日 20時) (レス) id: 1b53bac544 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 輝莉花さん» ありがとうございます!先程更新したのでぜひ見てください!d(゜∀゜) (2014年12月22日 20時) (レス) id: 1b53bac544 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり - お疲れ様でした!最高に面白かったです!次回も楽しみにしてます! (2014年12月22日 20時) (レス) id: 26e01552b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レナ | 作成日時:2014年10月26日 19時