島からは出られない ページ32
*
塚原さんは、顔色をひとつも変えず、
そう言い放った。
鬼火なんてあるはずない、そうは思っても、昨日の肝試しのときの話がよみがえって、カタカタと震えてしまう。
いくつになっても、こういう類は本当に苦手だ。
一「ちょっと待ってよ。鬼火だかなんだか知らないけど、そんなもんで人が死ぬわけないでしょ」
塚原「何も分かっていないッ」
さっきよりも声量を少しあげて、塚原さんはそう言った。
塚原「この島の鬼火は、お前たち医師を心から憎み、恨み、その怨念がお前たちに天罰を下しているのだ」
塚原さんの言葉は、私たちに重く、
のしかかる。
塚原「医者を恨む、人々の怨念がね」
加藤さんたち研修医の方々の表情が曇って行く。医師なら、こんな話を聞いて平気でいられるわけがないのだろう。
あ「・・・ッ」
私はそっと、はじめの袖を握る。恥ずかしいし、迷惑になるのは分かっているけど、
今だけは、許してほしい・・・
一「・・・A、大丈夫だ。
俺が、お前を守ってやるから」
小さな子どもをあやすかのように、優しく私に囁いて、袖を握っていた手に自分の手を重ねて、握ってくれた。
そこから伝わるはじめの体温に、少しずつ私は落ち着きを取り戻していく。
それと同時に、
身体の体温が上がるのを感じた。
川崎「・・・とにかく、こうなってしまった以上、研修合宿は中止だ。すぐに東京に帰ろう」
それが、一番安全だよね。
この島に警察なんていないし、これ以上私たちだけで調べるのは無理があるから。
塚原「それは無理です」
川崎「え？」
塚原「この台風では、迎えの船は来ません」
白石「だったら警察を呼んで下さい！ヘリとか」
塚原「先ほど通報しましたが、台風が落ち着くまでは船もヘリも出せないと」
椎名「えぇ！？じゃあ、僕たちこの島に閉じ込められたってことですか！？」
椎名さんが動揺するのも無理はない。
こんな、人殺しが潜んでいる島から、出られないなんて・・・気がどうにかなりそうだ。
塚原「残念ながら」
たんたんと塚原さんは受け答えをする。
その冷静さが逆に怖いと思った。
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レイン(金田一ファン！) - ものすごく面白いです！ 最後まで、頑張ってください！ (2014年9月29日 17時) (
レス) id: 47eec120e3 (このIDを非表示/違反報告)
深気約桜 - いつまでかかってもいいので、最後までかいてほしいです！ (2014年9月24日 18時) (レス) id: 8f420df049 (このIDを非表示/違反報告)
ジャニーズLOVE(プロフ) - 最後まで書いてください！とてもおもしろいです。 (2014年9月22日 18時) (レス) id: 89ede2c7d9 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 最後までがいいです！ (2014年9月22日 18時) (レス) id: a8d601d0c1 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ - 最後までが、良いです。更新が遅くても、大丈夫です！応援してます!! (2014年9月22日 17時) (レス) id: 0347fbb0c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レナ | 作成日時：2014年9月8日 19時
