自粛期間 ページ35
-陸 side-
A｢はぁぁ………｣
陸｢大きな溜息、幸せ逃げるよ？｣
A｢もう逃げてます………｣
床に寝そべって元気なく言うA。
突如世界中に広まったウイルスにより、
僕らの仕事も全て見送りになり
もう何日も自宅に引きこもっている。
A｢しょごぉ………ほくぅ………｣
メンバー大好きのAは
特に癒しである翔吾と北ちゃんに会えなくて
ずっとこんな感じ。
引っ越してすぐの自粛、
不要不急の外出を控えるように言われてるから
全くメンバーにさえ会えない日々。
陸｢あ、電話とかzoomは？｣
A｢……余計に会いたくなっちゃいます｣
そう言いながら携帯でメンバーの動画を見るA。
……電話やzoomするのと何が違うんだろう。 ←
そう思いながら
いつかの日のために弾き語りの練習をする。
A｢今日もジャクソンはいい音色ですね｣
陸｢ありがとうw｣
さっきまでメンバーに会えなくて項垂れてたのに、
僕が弾き語りを始めるとすぐ側まで来て
聞き入るA。
最近の日課になりつつあるこの時間。
A｢1番の特等席…ファンの子に怒られちゃうな…｣
そんなこと言いながらも、
A｢キャンセイ聞きたいです｣
ちゃっかりとリクエストして来るのもお決まりに。
初めは急に2人での生活に慣れず、
何となく気まずい空気が流れていたけど
この自粛期間に家にいることがほとんどで
Aの緊張も解れたのかこんな感じ。
Aのリクエストに応えつつ練習していると、
コツンと肩にAの頭が当たる。
ふとAを見ると眠たくなったのか、
ウトウトしている。
陸｢A、寝るならお布団行っておいで｣
A｢…眠たくないもん｣
そう言いながらも目は閉じかけている。
陸｢じゃあ陸さんとお昼寝しよっか｣
A｢ん…｣
もうほとんど目が空いてないAを抱っこして、
僕の部屋に運ぶ。
忙しい日々からの自粛でまだ家具も揃っておらず、
寮から持ってきた僕の1人では少し大きめのベッドに
2人で寝転がると直ぐにくっついてくるA。
背中をトントンしてあげれば直ぐに寝付いたみたいで
無防備なその寝顔を写真に納める。
そんなAを見ていればいつの間にか
僕まで寝てしまっていて、
目が覚めれば外は真っ暗。
Aは僕より先に起きていたみたいで
隣にはいなかった。
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作者名：ちゃそ
| 作成日時：2020年3月9日 19時
