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翔平｢ここまで？｣
運転手｢この先車行けないんで
ここからは徒歩で登っていきます｣
翔吾｢ちょっと...え〜...｣
この事態は翔平も知らなかったようで
私達3人に一気に緊張が走る。
タクシーから降りると、
スタッフにカメラを渡された。
翔平｢これアレですか、赤外線カメラみたいな？｣
スタッフ｢そうです｣
受け取ったカメラをチラッと覗いた翔平は、
翔平｢自分の顔見て下さい｣
そう言ってカメラに映っている自分達の画面を
私と翔吾に向ける。
A｢やだ！｣
翔吾｢怖い怖い怖い！｣
そんな事をしていると、
運転手｢コチラです｣
そう案内された。
ココから3人で行動だと思っていた私達は、
運転手さんも同行してくれるんだと少し安心。
だが、それもほんの一瞬...
翔平｢クマの出没が目撃されています、
音を鳴らして行動する、って書いてますよ｣
目の前の看板の注意事項を読む翔平。
運転手｢そうですね、鈴を鳴らして...｣
A｢鈴とか持ってないし！｣
翔吾｢え、鈴は？｣
そんなこと知らない私達が普段から鈴なんて
持ち合わせているはずもなく、
早く出せと言わんばかりに翔吾がスタッフさんに
催促するも...
スタッフ｢無いです｣
翔吾｢何してんすか｣
この時点で結構怖さがピークにまで来ている私達は
カメラがある事を分かりつつも
笑顔を振りまく余裕はない。
とりあえず柵を越えてトンネルに向かって歩き出す。
A｢...なんかさっきと空気ちゃうわ｣
翔吾｢け、結構やばい...｣
トンネルまでまだまだと言うのに
完全ビビりまくりの私達。
あの翔平でさえも怖いのか、顔が引き攣っている。
翔吾｢ちょっと待ってください｣
しばらく歩いた頃、
突然そう言って立ち止まった翔吾。
A｢なに、どうしたん？｣
翔吾｢なんか足回りがヤダ...｣
そう言って突然足回りを気にしだした翔吾に
私も翔平も緊張が走る。
翔平｢重いっすか？｣
翔吾｢なんか、なんかヤダ...｣
よくテレビで見る誰かが足回りに...なんて
そんなのを想像したら怖くて
翔平に抱き着くと、
翔吾｢なんかジーパンが変な感じ...｣
A｢...それ気のせいちゃう？｣
あまりの怖さにそんな事さえも気にし出した翔吾。
翔平｢もう、行きますよ｣
1番年下なのに仕切ってて、
しかもさり気に私の手を握ってくれている翔平。
...いつもお調子者だけど
初めて翔平がカッコよく見えた。←
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作者名：ちゃそ
| 作成日時：2019年8月15日 21時
