寝起き ページ35
-陣 side-
陣｢あれ、Aまだ起きてへんの？｣
今日は午前中から仕事とがあるA。
時間はそれほど早いわけではないけどそろそろ起きて
準備しとかんとアカン時間なわけで...。
陣｢北ちゃん、A起こして来てや｣
北人｢僕これからご飯で〜す｣
さっきまでのんびり携帯構って食べる気配なかったくせに
そう言った途端に席について食べ始めた北人。
陣｢じゃあ健太...｣
健太｢健太、忙しいです｣
陣｢じゃあ陸さ...｣
陸｢いや、陣くんに譲るよ｣
...そうなんです、
Aは自分で起きる分にはええけど
人に起こされた時の寝起きは本当に悪いんです。
それもA大好き健太や陸さんでさえ
起こしに行きたくないと言うほど。
陣｢もうほんまにお前らは...｣
昨日遅くまで撮影をしており、
今日はオフだという翔吾が起きてるわけもなく
自分で起こすしかないと意を決して階段を上がる。
＿ｺﾝｺﾝｺﾝｯ
陣｢A、起きとるか？｣
ドアをノックして声をかけても返事はない。
陣｢そろそろ起きな遅刻すんで？｣
...なんて更に声をかけるも意味ないことは承知の上。
陣｢...しゃーないな｣
仕方なくドアを開け、部屋の中に入る。
するとベッドで気持ちよさそうに寝ているA。
陣｢A、そろそろ起きてや｣
そう言ってAを揺すると同時に、
寝てはいるものの眉間にしわが寄る。
陣｢今日撮影やろ？｣
A｢......っさい｣
陣｢うるさいちゃうやろ、起きぃや｣
A｢...｣
陣｢A遅刻するで...ってぇ!!!｣
俺が起こそうとしているのに機嫌が悪くなったA。
起こすことしか考えていなかった俺は完全に油断しており、
寝ているAの長い脚が俺の横腹に綺麗にヒットした。
陣｢おまっ...｣
苦しむ俺を気にすることなく再び寝始めた。
｢...何してんすか、陣さん｣
そんな少しさめた声がして振り返ると
Aの部屋で痛みで悶える俺を怪訝な目で見る翔吾。
陣｢いや、あの...これはちゃうねん｣
翔吾｢見損ないました｣
陣｢せやから違うって、翔吾｣
そう言って誤解を解こうとすればするほど、
疑いの目で見られる。
A｢ん...しょご...？｣
翔吾の声に反応したのか、
手探りで探し始めるA。
陣｢もう翔吾、A起こして連れて来てや｣
これ以上何を言っても怪しまれるだけやし、
ここはもう翔吾に任せよう。
じゃあ頼んだで、それだけ言い残し俺は部屋を出た。
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作者名：ちゃそ
| 作成日時：2019年8月15日 21時
