風邪 ページ26
-陣 side-
陣｢Aどないしたん？｣
A｢なにが？｣
陣｢俺のとこに来るなんて珍しいやん｣
いつも翔吾に甘えるか、
他のメンバーと騒いでいるA。
だけど撮影前の控え室で、
何故か俺の隣に座って大人しくしている。
A｢...そういう気分｣
そう言ったAは俺の許可も取らず、
勝手に俺の膝を枕にして寝始めた。
壱馬｢あれ、Aが陣さんのとこにおるん珍しいっすね｣
慎｢本当だ、珍しい｣
翔平｢本当に珍しいですね｣
陣｢やかましいわ｣
そんな全員して珍しい連呼せんでもええやんけ。
いや、本当にそのくらい珍しいんだけど。
確か最後にAがこうして甘えてきたのは...。
そう考えてふと気付いた。
陣｢A、しんどい？｣
A｢...全然｣
俺の質問にそう返すAだけど
いつもよりほんのり顔が赤く、
少し息遣いも荒いように感じた。
翔吾｢A、体調悪いんすか？｣
さすがいつも一緒にいるだけあって、
すぐにAの異変に気付いた翔吾。
陣｢悪いんやけど、体温計持ってきてくれへん？｣
翔吾｢分かりました｣
そう返事をしてバタバタと体温計を取りに走る翔吾。
......ありがたんやけど、
もう少し静かにしてくれへんかな。
翔吾｢取ってきました｣
陣｢ありがとう｣
翔吾｢それと一応氷枕も｣
陣｢A、ちょっと動かすで？｣
座っていたソファーにAをゆっくり倒し、
頭の下に氷枕をおく。
陣｢翔吾が体温計寄ってきてくれたから、熱計って｣
弱々しく体温計を手に取り、
熱を計り始めたA。
翔吾｢Aの撮影、トップバッターでしたけど
順番ズラしてもらった方がいいっすよね？｣
陣｢そうやな、ちょっとスタッフさんと話してくるわ｣
Aを翔吾に任せてスタッフさんと
話をしようと立ち上がると
力なく俺の服の袖を掴むA。
陣｢どないしたん？｣
A｢...行っちゃやだ｣
涙を溜めて訴えるA。
翔吾｢俺話してくるんで、
陣さんはそばにいてあげて下さい｣
Aの頭を優しく撫で、
再びバタバタとスタッフさんに話しに行った翔吾。
A｢...ごめんなさい、迷惑掛けて｣
陣｢誰も迷惑なんて思っとらんよ｣
A｢でも...｣
陣｢Aは頑張りすぎやねん、
もう少し自分休ませたらなアカンで？｣
A｢...はい｣
陣｢分かったら撮影までの間少し寝とき｣
A｢...離れたらダメですよ？｣
陣｢ココにずっとおるから｣
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作者名：ちゃそ
| 作成日時：2019年8月15日 21時
