SHORT STORIES from THE RAMPAGE

Kazuma Kawamura (5) ページ17

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( 彼女 × メンバー )




「ひいっ。」

「きゃっ。」

「えへへ。」



俺は今、かなり複雑な気分だ。



汐留のHI-AXブースに行ったらしい愛おしい彼女の動画が送られて来た。



花岡楓士雄のARで終始デレデレしているA。



「２回目〜！」とか言って、今度は鬼邪高内の背景を背にモジモジしながら立って、またデレデレ溶けそうな表情をしている。



……なぜ今その視線の先に俺がいないんや。



……というか、その可愛い笑顔を生で見たいんやけど。




すると、また次の動画が送られて来た。



「きゃ！竜くんだ！へへ。」



王子占いというやつで、京極竜を当てたらしい。



「わあ。」とかなんとか言いながら京極竜の音声を何度も何度も再生するA。



楽しそうやし、嬉しそうで、俺も嬉しいけど、……ほんま複雑や。



送り主で、撮影者である陸さんに



「キュンキュンしちゃった。」って。



どちらも演じてるのは確かに俺。

俺だけど、俺であって、俺じゃない訳で。

要するに、Aをあんなキュンキュンさせてデレデレさせてるのは、花岡楓士雄と京極竜であって。川村壱馬やなくて。

俺は……楓士雄と竜に嫉妬してんのか……くそダサいやん。



「格好良い。」



今度はTHE WORSTの予告動画を見ている後ろ姿。



ああ、マジで……複雑な心境。






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夜からの仕事はメンバー全員だった。



勿論、さっきまで動画で見てたAもいる。



だけど、会っても全然照れへんし、相手にされへんと言うか、寧ろ怒ってるような気がせぇへんでもない。


え、なんなん？


ちょっとは会えて嬉しがってくれるかなとか、照れ顔見れるかなとか期待したんやけど……。


会えて嬉しいのは俺だけなん？



「え、Aの待ち受け、楓士雄とツーショットじゃん！いつ行ったの！？」



え、待ち受け！？




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