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「けど、直接かーくん呼び出来んの、Aだけやろ?」
「北人くんおる。」
「いや、別に北人は実際には呼ばんから!ふざけては言うかも知れんけど。」
「言うんやんかあ。」
更にガクッと項垂れるA。
なになに?今日はどうしたん?
向かい側から隣に移動して腰掛ける。
思い切ってグッと肩に手を回した。
すると、無抵抗なAの体重が自分に預けられる。
「俺にとって、Aに “ 壱馬 ” って呼ばれるんも、 “ かーくん ” って呼ばれるんも、全部全部特別なんやで?」
言いながらAの顔を覗き込むと、ほっぺがぽっと赤くなった。
俺と同じくらい酒に強くて顔色ひとつ変えないAの顔が赤い!?
あー、もうどうしよ。可愛い過ぎるやろ。
このまま俺んのになってくれへんかな。
「そろそろ分かってや。俺の特別な子は、後にも先にもAだけやで。」
「壱馬。」
「そこは、かーくん、やないの?」
プクッとほっぺを膨らませたAの目は潤んでて、今にも溢れ出しそう。
「ごめんって。泣かんといて。」
「だって、」
肩に回してた手を、頭に置き換えてよしよしって。
「俺は、Aの特別?」
そう聞くと、コクリと頷く。
ふはっ。アカンわ。ニヤケが止まらん。
どさくさに紛れて、そのまま自分の胸に引き寄せた。
腕の中にAがおるの、ヤバいな。
ある意味、出先で良かったわ。
「ごめん。」
「なんで?」
「こんなやなくて、そのもっとちゃんと雰囲気とか大事にしたかったんやけど、」
「壱馬がいてくれたら、それでいい。」
いや、マジなんなん?
今日めっちゃ煽って来るやん。
「A。」
両肩に手をかけて、面と向かう。
「好きやで。」
Aの唇に口付けた。
多分、時間と言えないくらい一瞬やったんだと思う。
やけど、すごく長い時間に感じた。
・・・何気、緊張で震えてたの、バレてないとええな。
目の前には、目をパチクリさせるA。
「恥ずかしい。」
そう言って、照れ隠しなのかなんなのか、茹でダコみたいに真っ赤になったAが抱きついて来て、こっちもかなりパニックやけど、背中に腕を回して抱き締めた。
あー、食べちゃいたい・・・。
心底出先で良かったと思う川村なのであった。
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RIKU ’s sister→←Kazuma Kawamura (3)
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蛍(プロフ) - すいません!登坂図鑑のパスワード教えて下さい! (2020年9月2日 7時) (レス) id: 08d94763e4 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - お返事ありがとうございます!そうなのですね!了解致しました(*´˘`*)再掲楽しみに待っていますね! (2019年9月22日 16時) (レス) id: ad0dbdb24b (このIDを非表示/違反報告)
ガヤキティ(プロフ) - ちぃさん» 初めまして!お読み頂き、そしてコメントを下さり、ありがとうございます!健太さんのお話は、思うように纏められなくなってしまい、一旦引き上げてしまいました。再掲の予定なので少しお待ち頂けると嬉しいです!表示されたりされなかったりはバグでしょうか……(>_<) (2019年9月22日 13時) (レス) id: 789372bee5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読ませて頂いています。健太くんのお話が表示されたりされなかったりするのですが、消されてしまったのでしょうか。続き楽しにしていたので気になってコメントさせて頂きました。 (2019年9月22日 10時) (レス) id: ad0dbdb24b (このIDを非表示/違反報告)
ガヤキティ(プロフ) - 瑠菜さん» ありがとうございます!ニヤけて頂けてうれしいです!これからも頑張ります! (2019年8月18日 19時) (レス) id: 789372bee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ガヤキティ | 作成日時:2019年7月12日 18時