Dear北人~伝えきれなかった想い~ll

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you side




なかなか話を切り出さない北人に我慢できず、こっちから切り出した。



「ところで話って？」

「まだいいじゃん」



北人は大きなあくびをすらると、再びベッドに潜り込んだ。



「寝るの？」

「だって眠いもん...」



もしかしてこれは誘ってるの？

わざわざ家に来させて、くだらない話をして、メインの話はこうやってはぐらかす。

だけど、本当は家に来るはずじゃなかった。
だったらやっぱり話があるんじゃないのかな。



「ねぇなんなのー？」



すっかり酔いも眠気も覚めてしまったあたしは、ガシガシと北人を揺する。



「...んぅー、起きたら話すよ」

「はぁ？あたし早く帰って寝たいんですけど」



本当はここに泊まって起きてから話を聞いても良かったんだけど、尻軽だと思われたくなくてそんな風に言ってみた。

そんなあたしの本心を見抜いて、あっちから「泊まってけ」って誘ってほしかった。



「今日仕事？」



ほら来た。



「休みだよ」



そう言えば、返答はきっと...なんて甘い期待をしたあたしがばかだった。



「じゃあ、また夜に会うか」



あたしは思わず苦笑い。



「そうだね。そうしよっか」



そう答えるしか無かった。北人は今にも寝てしまいそうな顔をしている。

なんだか、それを見たらドッと疲れが出てきた。

あぁ、えっちしちゃうかもなんて考えてた自分が情けない。

期待しちゃってばかみたい。







早く帰って、さっさと寝よう。

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