◇◆ろーるきゃべつ系男子2◆◇≪Arashi・Kazu≫ (ページ22)

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◆episode　◇51◇　ページ22

ユリコ「よしよし、素直なカズ君(笑)。」

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優しく笑ったユリコさんを見て

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理由もないのに

涙が出た

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いや

違う

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ユリコ「ほぉーら、それは玉砕した後に流すもんなの…。」

俺たぶん

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優しくされると

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それだけで

胸がくすぐったくて

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和也「泣いて……ねぇ…し…」

涙が

出ちゃうみたいだ

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当たり前みたいな言葉を

ずっと

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聞いてこなかったから

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人より

涙腺

ゆるいのかもしんない

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ユリコ「また素直じゃない。」

ホント可愛くない子って

すごーく

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あったかい声で

囁いてくれた

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ユリコ「男の涙は…綺麗よね…」

カズ「へっ?」

ユリコ「でも、カズ君には早すぎるから、これ。」

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呟いたユリコさんの顔が

いつになく切なそうで

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不安に駆られたけれど

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泣き顔を見られる恥ずかしさが勝って

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そっぽを向いて

ひったくるようにしてハンカチを受け取った

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和也「今日は…ありがと。」

珍しくユリコさんが

家の前まで見送ると言ってくれたので

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二人で玄関先まで歩く

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和也「じゃあ……また」

夕焼けに染まった彼女の顔は

ますます美しさを増して

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少し悲しそうにも見えた

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でも

ユリコ「そんな顔しないの。」

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悲しそうな顔をしてたのは

俺の方だったみたい

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そのまま彼女はゆっくりと

俺を抱き締めた

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ユリコ「今度会う時は彼女連れてきなさいよ(笑)?」

和也「うん…」

ユリコ「カズ君、男の子でしょ?しゃんとなさい…ね?」

和也「それ…懐かしっっ…い…」

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あの時したかったように

俺とあまり変わらなくなってしまった背を

離れないぐらいに抱き締める

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返し忘れたハンカチを眺めながら

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心の中で

「ありがとう」と呟いた