毒使いの兄妹は (ページ10)

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四年生対五年生の段:6 ページ10

〜三郎丸side〜

ハッカクが帰って来た。
それと同時に、滝夜叉丸と先頭を入れ替わる。
案内してもらうためだ。

「来たな！」

「八左ヱ門先輩……！」

少し開けた場所。
目の前に立ち塞がる、竹谷八左ヱ門先輩。
僕が尊敬する、大好きな先輩。

「三対三か……まずまずじゃないか？」

鉢屋三郎先輩……。
大将の名札は、鉢屋先輩の隣にいる不破雷蔵先輩がしている。

「先輩方。タカ丸さんと三木ヱ門は？」

「三木ヱ門は知らないが、タカ丸さんには会っただろう？」

滝夜叉丸の問いにニマニマと笑いながら鉢屋先輩がそう言う。
よく言う。
ハッカクが飛んできた方角から察するに、この本陣を狙える高台まで三木ヱ門とタカ丸さんは移動したのだろう。

「すまないけど、捕まるわけにはいかないんだ」

不破先輩……。

「三郎丸。正直、すまんが本気でいくぞ。……なんせ、俺たちは、今回のこの訓練で四年生に負けたら！補習で六年生と実戦訓練することになってるからな！！」

八左ヱ門先輩の悲痛な叫びと共に鳴り響く、砲弾の音。
石火矢だ。三木ヱ門か。

それと同時に襲いかかってくる、二匹の狼。
さっきの笛の音の……！

「わわっ！？網……！？」

不破先輩が避けた……！
惜しい……！
三木ヱ門達は移動するにしても、場所は割れてる……！

「だから豆腐だって！」

「いいや！味噌だね！」

久々知先輩と兄さんまで……！
……って、まだ言ってる……。