毒使いの兄妹は (ページ9)

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四年生対五年生の段:5 ページ9

〜三郎丸side〜

三木ヱ門が立てた作戦が役に立った。
どう足掻いても戦闘で兄さんには勝てない。
だから、兄さんのブラコンを利用した作戦。

〈ピィィーーーーｯｯ〉

鳴り響く笛の音。八左ヱ門先輩の笛だ。

「滝夜叉丸！守一郎！喜八郎！気を付けて！八左ヱ門先輩の笛の音がした！」

「生物委員会の笛か！？」

守一郎の問いに頷き、僕も笛を吹く。

〈ピィーーーｯ〉

生物委員会で飼育している、鷹を呼ぶ。
名前はハッカク。

「ハッカク、タカ丸さん達のところへ！」

「もうすぐ本陣に入る！気を抜くなよ！」

滝夜叉丸の声に空気が張り詰める。
まだ会っていない五年生は、竹谷八左ヱ門先輩、尾浜勘右衛門先輩、不破雷蔵先輩。
そして、鉢屋三郎先輩……。

鉢屋三郎先輩は、苦手だ。
ずっと、観察されているような。探られているような。
かと思えば、はぐらかされるように、煙に巻かれるように……。

「みんなー！」

「タカ丸さん！」

前方にタカ丸さん。
……三木ヱ門がいない。ハッカクも帰って来ない。

［滝夜叉丸］

矢羽音を飛ばす。

［わかってる。尾浜先輩か、鉢屋先輩だろう］

［尾浜勘右衛門先輩じゃない？鉢屋三郎先輩は不破雷蔵先輩から離れないだろうし］

喜八郎から矢羽音が飛んでくる。
まあ、そうだろうな。

「どうしたの？」

「いえ。……タカ丸さん、三木ヱ門は？」

僕が問うと、彼は恥ずかしそうに頬をかいた。

「はぐれちゃって……」

「そうですか〜。じゃあ、僕と一緒に三木ヱ門を探しましょう。滝夜叉丸と三郎丸と守一郎は大将役を探しなよ」

［］

「わかった」

「この私に任せろ」

「そっちも頑張れよ！」

喜八郎にそう言い、見送る。

［絶対大将を捕まえてよ］