32.じゃあね ページ32
「さぶちゃん、しろちゃん、またおいでね。」
「今度は正月か?また来いよ。」
それからの二日間はあっという間だった。
夏休みもあと一週間ちょっと。
家に帰るときが来た。
じいちゃん達と一緒にバス停まで歩く。
『しろー!!』
遠くから名前を呼ぶ声がした。
振り向けば、
「ふー…間に合ったぁ」
「智さん!」
「しろー達が今日で帰っちまうって聞いたから慌てて…。へへ。」
智さんの額に浮かぶ玉のような汗。
急いで来てくれたんだ…。
「あら、さとちゃん久しぶり」
「おばちゃんもおじちゃんも久しぶり〜。」
「おめぇまさか一人で来たのか?」
「え?一人で来たよ」
『こんな坂よく下ってきたな』と言うのはじいちゃん。『おいら結構運動できるんだからね』って智さんは笑った。
『そうそう、』と智さんは器用にくるりと車イスをまわすと俺の目の前まで来た。
改めて顔を会わせるのが少し照れくさくて、なんとも言えないむずがゆい感じがした。
「…しろー。家帰っても、
おいらとの約束、守れるな?」
智さんはふわりと笑った。
うん、と俺は返事をする代わりにうなずいた。
…声が、震えてしまいそうだったから。
すると、そんな俺に気付いてか智さんはゆっくりと車イスを支えに立ち上がって俺を…抱き締めてくれた。
「おいらはずっとしろーの兄ちゃんだからな。
…また、いつでも遊びに来いよ。そんときは一緒に、ゲームしような。」
「…うん」
目尻が、熱くなった。
「しろちゃん、さぶちゃん、バス来たよ」
「もっといたい〜ぅうー」
「なぁに泣いてんだ、また来てくれるんだろう?」
わしゃわしゃと三郎は頭を撫でられていた。
.
.
.
ぐしゃぐしゃの顔をした三郎の手を引いてバスに乗り込む。
窓に写った自分の目元が赤かったのは、きっと気のせい。
小さくなっていく三人に、小さく手をふった。
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碧(プロフ) - bamboososoさん» Thank you for reading and your kind words made me happy. I was surprised when you sent me a message. Because this is the first time. I'm so happy. (2016年10月16日 8時) (
レス) id: 24fc974975 (このIDを非表示/違反報告)
bamboososo(プロフ) - i like your writing and the feeling of daily life. i am looking forward to your following writing.i am Chinese and my Japanese is not so good that i use English to show my support.頑張ってください! (2016年8月29日 20時) (レス) id: ebdc8ada44 (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - オレンジベアさん» ありがと(*´ω｀*)私もびっくりしてる…。夏休みしかこんな投稿できんで今のうちにやっとこうと思って。とりあえずコメthank you. (2016年8月6日 13時) (レス) id: 24fc974975 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジベア(プロフ) - 1000hit越えおめでとう。(*^◯^*) 更新、楽しみにしてるね。(^_−)−☆ (2016年8月6日 7時) (レス) id: fddaf324f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧 | 作成日時：2016年8月5日 10時
