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あれほど高く積もっていた雪も溶けきり、
いつのまにか、タンポポやチューリップの咲く
季節になっていた。
その頃の僕は先生に無理を言って、
よく一人で町に出掛けていた。
そこまで都会ではないけれど、ひまわり園のある田舎よりは
少しだけ拓(ひら)けたような場所だ。
何か目的があって行くのではなかったが、
ただふらふらお店を見て回ることが楽しかった。
ひまわり園にとじ込もっていたときには知りもしなかったお店は、
幼い僕の胸を高鳴らせるには充分だった。
そろそろ町の大体のお店を把握し出した頃、
僕は甘い花の匂いに誘われて、
ある一軒のお店へたどり着く。
『ガランサス』
大小様々な色とりどりの花々が咲くこの店に、僕の心は惹き付けられた。
「チューリップ、マーガレット、コスモス...」
可憐な花々が生き生きと咲き誇る。
と、一輪のつぼみの花を僕の視界は捉える。
...あの大きなつぼみは...
離ればなれになってしまった妹の顔が頭に浮かんだ。
《あのねお兄ちゃん、このおっきいお花の名前は...》
確か、
「『百合』」
...
声が重なった。
反動で後ろをむけば、
そこにはきれいな女の人がにこにこしながら立っていた。
「百合がお好きなんですか？」
このお店の、店員さんでしょうか。
僕は、答えた。
「はい。大好きです。」
実物を見たのは、これが初めてだった。
でも、この固く閉じられたつぼみの中から夏、
純白の花弁が広がると思うと、
そこに力強さを感じた。
「よかったらココアでも飲んでいきませんか？もう少し...君とお話ししたいな。」
店員さんは僕を見て、にっこりと笑って言った。
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羅瑠亜(プロフ) - 美唯さん» 毎度毎度本当にありがとうございます。ほんとにもう...励みになります。お話も終盤に差し掛かって参りましたのでどうぞ最後までご愛読くださいませ。 (2015年11月1日 23時) (
レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 続き楽しく読ませてもらいました。また続き楽しみにしてます♪ (2015年11月1日 22時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 美唯さん» ありがとうございます。なるべく早めに更新します！ (2015年9月10日 18時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 続き楽しみにしていますね(笑) (2015年9月10日 14時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧 | 作成日時：2015年9月8日 23時
