許嫁 （上）【煉獄杏寿郎】【冨岡義勇】

煉獄杏寿郎視点：　遊郭編1 ページ7

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新年二日目。


紫とあんなに言葉を交わしたのは何時ぶりだろうか―


昔からああではなかったが、
あるときを境に父上は一切の指導を辞め、
藤山家を含め屋敷に人を寄せ付けないようになった。


俺は書物に学ぶようになり、鍛錬に明け暮れ、
君の屋敷へ遊びに行くのも止めてしまった。


十三で最終戦別を突破すると、紫の家に
世話になることもあったが、屋敷の奥で父上の
手伝いをする彼女の姿を見かける程度。



だが今日、ちゃんと柱になった報告と、
子作りの件を頼むことができて良かった！！




晴れ着姿の彼女は年頃の娘そのままだったので、

思わず「経験」について聞いてしまい、
勝手に後悔した。

なので返事を待たず、
慌てて話を進めてしまいすまなかった。



俺の悪い癖だ！！




必ず紫が不愉快な思いをせずに
臨めるように準備するからと十分安心させてやり、



先日一緒の任務で嫁が三人もいる、
と聞いた宇髄を頼りに彼の屋敷に赴き、

子作りのいろはについて教えてほしいと頼んだ。




事情を説明すると、



「んなこと同僚に聞きにくるなんて
考えまで派手だなお前・・・つか許嫁いるんだな。」



腕を組んで聞いていた宇髄は
溜息をつくと俺の肩をたたいた。



「まぁ、男ならば必ず通る道だからな。
時間もねぇようだし、
今度非番が重なったら俺が一日で仕込んでやるよ」





―そうして今日、宇髄は俺を町に連れ出した。




「いいか、一に雰囲気、二に優しさ、三に男気だ。
それが揃わないと女を満足させられないと思え。
雰囲気づくりから失敗すれば子づくりは難しいぞ。」



「はははっ なるほど！
しかし、具体的にどうすればよい？」



「そう焦んなくていい。この宇随様に任せな。」




そう言って宇髄は俺の方に腕を回して
目の前の角を左に曲がる。

すると、別の大通りが広がる。
様子が他の通りとは全く違うようだ。



「よもや、これは煌びやかな通りだな！
浅草にこんな場所があろうとは知らなかったぞ！」



「まさかとは思っていたが、やはり知らねぇんだな」


「む？何のことだ！」




「ここは、遊郭って言うんだよ。派手だろ。」



宇髄は「ときと屋」と書かれた茶屋の前に
立ち止まり、その店先で煙管をくゆらす一人の女性に声を掛けた。


初対面のようだが、相談事をしているようだ。




数分後、その女性は俺たちを店に招き入れてくれた。


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