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煉獄杏寿郎視点: 煉獄邸編2 ページ17

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部屋に水と重湯を持っていくと
紫は眠っているようだった。

彼女が寝ていると布団が大きく見える。


紅い顔のままその穏やかな寝顔に思わず口元が緩む。




母上も体調の悪い時でさえ、美しいお方だった―




目覚めるのを暫く待っていると、表戸の開く音。


父上が思ったよりも早く帰ってきたようだ。



「おかえりなさい、父上!」




千寿郎の声が聞こえ、
廊下へ出ると、父と鉢合わせる。


酒臭かった。



「早いお戻りですね、父上!おかえりなさいませ。」


「おぉ、お前か、お前は近々祝言あげるだろう」


「はい!ですがまだ日取りのほうは・・・」




「いいかっ」



ぐっと腕をつかまれる。



「お前の結婚相手は金江んとこの娘だ」


「・・・それはどういう意味でしょうか、御父上!」




父上は何を仰っているのか―


それに金江?聞いたことのある響きだ。


酔った父はそのまま大声で続ける。




「お前は煉獄家を絶やしたくないと、そう言ったな。
跡取りを残す気なら誰が相手でも構わんだろうが」



「お言葉ですが父上ー」



言いきる前に父の岩のような拳が飛んでくる。
一切の武道を辞めたというのに堕ちない速さ。

ぎりぎりのところを避ける。



「元は俺が決めた許嫁だぞ。
俺がお前の親である限り誰にしようと勝手だ!
金江がお前の相手だ!」




―・・・金江酒店だ。


町にある父上が懇意にしている酒屋。
うちの屋敷に酒を届けていた店。



父上はそのままよろめくと障子と一緒に
紫の寝るその部屋に倒れこむ。


そして彼女を見ると「俺の屋敷で何をしている!」

と怒鳴りだした。





「・・・ん 杏寿郎・・さま」



その音に起きる紫に父の醜態を見せまいと、

とっさに二人の間に割って入り、
彼女の頭から包み込むように抱きしめる。




「起こしてしまいすまない、紫。
だが、君のためにも今から屋敷まで送ろう。」




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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄さん , 義勇   
作品ジャンル:アニメ
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いろ(プロフ) - satoさん» 読んでいただきありがとうございます!更新頑張っていきます^^ (2021年4月13日 22時) (レス) id: aed08086d2 (このIDを非表示/違反報告)
sato(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。推しのお二人なのでとても楽しいです!そして、寛三郎の菓子の寝言には可愛さが溢れました^_^更新楽しみにしております。 (2021年4月12日 16時) (レス) id: 7113727fb0 (このIDを非表示/違反報告)
いろこ(プロフ) - にゅーとさん» すごく嬉しいお言葉ありがとうございます!!これからも少しずつですが、頑張って更新していきます^^ (2021年4月4日 23時) (レス) id: aed08086d2 (このIDを非表示/違反報告)
にゅーと - はじめまして!今日初めて拝見させていただいたのですが面白くて一気に見てしまいました!推しの2人なのでとても嬉しいです。更新頑張ってください! (2021年4月3日 14時) (レス) id: f2a9229dc1 (このIDを非表示/違反報告)
いろこ(プロフ) - 凪子さん» 読んでいただいてありがとうございます!あたしも二人が大好きです^^ (2021年3月22日 20時) (レス) id: aed08086d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いろ | 作成日時:2021年3月8日 14時

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