双つの黒 弐 ページ49
太宰が示す場所に居たのは、樹木で拘束されている夢野だった
太宰「助けを待つ眠り姫様だ」
中原「眠り姫様ねえ…」
貴女「夢野は男だぞ」
太宰「木の根を切り落とさないと中也、短刀貸して」
貴女(無視?)
中原「あ?あぁ…ん?確か此処に…」
中原が懐を探すが、どうやら見当たらないらしい
貴女「執務室に忘れたのか?」
中原「い、いやそんな筈は…」
太宰「あ、さっき念の為掏っておいたんだった」
中原「手前…」
貴女「矢張りお前か…相変わらずの手癖の悪さだ」
太宰「さて、やるか」
そう云って太宰は夢野の頸に中原の短刀の刃先を中てた
中原は、何も言わない
太宰「…止めないの?」
中原「首領には生きて連れ帰れと命令されてる。だが、この距離じゃ手前のほうが早え。それに、その餓鬼を見てると詛いでしんだ部下たちの死体袋がちらつきやがる。やれよ」
太宰「そうかい。…セラちゃんは?結構君のお気に入りの子供だったわけだけど?」
貴女「…別に、彼も死んだ方が楽だろうから止めない」
太宰「しゃ、遠慮なく」
太宰は短刀を振り上げた
――ザッ
太宰の振り上げた凶器は――木の根に入っていた
太宰は無言のまま木の根を切っていく
中原「ふん…甘え奴だ。そう云う偽善臭え処も反吐が出るぜ」
溜息を吐き出しながら顔を歪め、中原が云った
太宰「Qが生きてマフィアに居る限り万一の安全装置である私の異能も必要だろう?マフィアは私を殺せなくなる。合理的判断だよ」
中原「…どうだか」
貴女「因みに、本当に太宰が夢野を殺した場合検証の結果中原の短刀が凶器だと判明して最悪処刑問題にまでなったぞ。良かったじゃないか」
中原「!!!!な、な…手前…!!」
中原が口をパクパクさせながら太宰を見ると、太宰はニッコリ笑った
太宰「そゆこと。マフィアが彼を殺すのは勝手だけどね。大損害を受けたマフィアと違って探偵社の被害は」
”国木田「俺は理想の世界の為に…!!」「貴方の命を何よりも…!!」”
太宰「国木田君が恥ずかしい台詞を連呼しただけで済んだから」
中原「社員に詛いが発動したのか。その後如何した」
太宰「勿論、録画したけど?」
太宰が悪びれもなく笑顔で答える
中原(探偵社にも太宰で苦労してる奴が居るな…)
何かを察した中原であった
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色々誤字を訂正しました
2019年8月16日
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幸祐 - 月瀬さん» 有難う御座います!指摘助かります! (2019年7月27日 15時) (レス) id: 991f5a7ceb (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - いつも 楽しく読ませて頂いてます!あと、「信念」が「新年」の誤字です… (2019年7月12日 18時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幸祐 | 作成日時:2019年5月10日 20時