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頭は間違うことがあっても 弐 ページ37

気絶した只落下していた

真っ暗な意識の中で虎の唸り声が聞こえた

中島(矢張っり無理か…あんな偉そうなことを云っておいて…此の侭死ぬ。厭だけど…如何しようもない)

虎「グルルルル…」

中島の後ろに虎が現れた

真っ白な大きな虎だ

中島「…お前か」

白虎が飛び掛かって来た

ガブッ、と鋭い牙が中島の喉を突き刺した

ガッガッ、と肉を引き千切る音がやけに響いた

中島(そうだよな…お前は、僕が嫌いだよな)

中島は特に恐怖を感じなかった

中島(喰えよ。僕は、僕が嫌いだ)

中島の手が虎の白い毛並みを撫でた



中島「今までありがとな」


虎は目を見開いた

――

その時、中島の躰が変化した

中島の黄金色の目が見開かれた

人だった中島は、いつの間にか白い虎に変化していた



ドオアッ


爆音のような音を立てて虎は墜落した

然し虎は確りと立った

フラ、と虎がよろけ虎の手足がボキボキと音を立て、虎は――中島に戻った

中島は目を開き、自分の手を見た

血,一つ付いていない手に疑問を抱く

中島「…。生きてる…?」

人形「ケ…ケッ、ケケッ」

少し遠くで人形が笑ってる

中島「疾く…届けなきゃ…」


ふらふらと立ち上がり、人形に手を伸ばしたその時だった

ドガガガガッ


銃声と共に中島の目の前を銃弾が通った

中島「!?」


ビルの上に浮かぶのは白鯨

中島を狙った射撃

中島「くっ…!」


人形を掴んで銃弾を避け、探偵社に向かって走る

トム「おいおい、外してんぞ下手糞」

マーク「まーじーでー!」

ビル群を抜け、ふと道路に目を向けた中島は息を呑みこんだ

地獄のような惨劇に、中島の脚が止まる

然し、銃撃は中島を狙い続ける

中島「!」(一刻も疾く、此れを止めないと)

寸での処で銃弾から逃れ、中島は走った

車をまたいだ時、中島の目に、乳母車のなかで泣いている赤ん坊を見つけた

その乳母車は――惨劇によって出来た穴に向かって階段を滑るように降りていた

赤ん坊「わあああああ」

中島(落ちる…!間に合わない!)


カノン砲の標準が中島の背中に絞られた

マーク「いただき!」

トムを乗せた弾丸は中島に向けて落ちてくる

中島は、歯を喰い締めて、咄嗟の判断で足を虎化させ、乳母車を抱え飛んだ

マーク「なっ…」

トム「消えた…!?」

電光石火の動きに、二人は困惑した

中島は虎の脚で着地すると、丁度そこに居た男に目を付けた


赤ん坊は――突然の事でポカンと呆けていた

頭は間違うことがあっても 参→←頭は間違うことがあっても 壱



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幸祐 - 月瀬さん» 有難う御座います!指摘助かります! (2019年7月27日 15時) (レス) id: 991f5a7ceb (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - いつも 楽しく読ませて頂いてます!あと、「信念」が「新年」の誤字です… (2019年7月12日 18時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:幸祐 | 作成日時:2019年5月10日 20時

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