撓ニ実レリ怒リノ葡萄 麓 ページ4
谷崎「喩えるなら。誰も、神と何かを較べたりしない。そうだろ？」
谷崎は温もりの一切ない声でそう云い切った
或るのは、妹への過剰な愛
ジョン「まさか…運転手には、此方が道に見えているのか！？」
谷崎の能力――『細雪』の効力であった
谷崎「それが、ナオミの為なら。ボクは喜んで世界を焼く」
貨物車が突っ込んできた
組合の二人に直撃し、谷崎と国木田が吹っ飛ばされる
ﾌﾞﾁｨｯ、と繋がっていた根っ子が引きちぎられた
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ボトッ、とナオミたちを縛って居た樹が腐った様に落ちた
ナオミ「！」
春野「樹の動きが…止まった？」
一瞬の考えの後、ナオミは駆け出した
ナオミ「春野さん！」
今なら未だ、列車に間に合う可能性があった
未だ助走の中に居る列車を二人は必死に追いかける
ナオミが手を伸ばして列車にしがみ付いた
ナオミ「春野さん！手を！」
遅れる春野に手を必死に差し出すナオミ
春野の手が伸びる
――――
パシッ
二人を乗せた列車は、目的地まで進行を進める――
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運転手はエアバックに守られ命に別状はなさそうだ
ジョン「げほっげほっ」
轢かれても尚立ち上がるジョン
土煙の中からハワードが…
頸を90度に曲げた状態で出てきた
何故其れで生きて居られるのかは謎だ
ハワード「…驚いた」
頸を鳴らしながら真っ直ぐに治すハワード
…絶対頸椎が折れて居て死亡しているような怪我の筈なのだが、彼は何も変わっていない
ジョン「連中は？」
それがさも当然の様にジョンが問う
ハワード「気配が無い…姿を消して逃げられた」
ジョン「追おう」
ﾌｧﾝﾌｧﾝと警察車両の音が響いた
二人は、四方八方を車に囲まれ、出てきた警官に拳銃を向けられた――
警官１「動くな！」
警官２「本部、通報の誘拐犯らしき二人組を発見しました」
ジョンが諦めたように両手を上げた
ジョン「事前に通報してあったって訳だね」
木々の影から、谷崎と国木田はその様子を見て居た
国木田の携帯顛末にセラから
『与謝野が怪我人に飢えているから為るべく酷い怪我をして帰ってこい』
という電子手紙を貰うのは――五分後の事だった
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幸祐 - 月瀬さん» 有難う御座います！指摘助かります！ (2019年7月27日 15時) (
レス) id: 991f5a7ceb (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - いつも 楽しく読ませて頂いてます！あと、｢信念｣が｢新年｣の誤字です… (2019年7月12日 18時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幸祐 | 作成日時：2019年5月10日 20時
