ウィル・オフ・タイクーン 陀 ページ20
中島は太宰との待ち合わせ場所である場所で携帯端末で時間を確認した
中島(太宰さん遅いな…)
中島が端末を閉じたその時、中島の隣に誰かが立った
？「待たせたかな」
中島はその言葉に従う様に横を向き、固まった
其処に居たのは――
スコット「金と優秀な部下を持つものにとっての強敵は、暇だ。こればかりは金でも異能でもどうにもならん」
中島「なっ…！？」
中島が驚愕し、後退したが彼の前にはスコットは既に居なかった
スコット「ありきたりな反応だな」
スコットは中島の後ろに移動していたのだ
咄嗟に中島は異能で腕を虎化させ、殴ろうとしたが其も止められた
スコット「これもつまらん」
中島「！？」
スコット「部下の反対を押して組合の団長自ら迎えに来たのだぞ？君達は俺を楽しませる義務がある筈だろう」
無茶苦茶な言葉だが、彼の強さも無茶苦茶だった
素手で中島の拳を握り締め、後退させたのだ
中島「ぐああぁっ…！？」(この膂力。真逆、戦闘系の異能力…！？)
中島の頭に、自分を見て怯えるナオミと春野の姿が思い浮かんだ
中島(でも…こいつを倒せば、戦争は終わりだ！)
中島が飛び蹴りの要領で右足をスコットの右顎にヒットさせた
反動で中島自身も解放され、空中に浮く
スコット「…今の蹴りは良いな」
危ない発言をしたスコットは笑みすら浮かべていた
スコット「一万ドル程度の価値はある。だが」
ｺﾞｽｯ
浮いている無防備な中島の腹に強烈な足蹴りが入った
ﾒﾘｯ、と骨の軋む音がした
壁迄吹っ飛ばされた中島は吐血して倒れ――
る前にスコットが中島の前髪を掴んだ
スコット「我々が君に掛けた懸賞金は七十億だ。その程度の実力では買えんな。落ち込むな親友。君の価値は別にある。さあ、一緒に来て貰おう」
中島(これじゃ…前と同じだ…僕は又、皆に…)
？「待って」
少女の声がその場に響いた
橋の向こうから遣って来た人物に中島の眼が見開かれた
少女、鏡花が…静かに其処に立っていた
スコット「おや、君は確か、マフィアの下級構成員だな。報告書では行方不明とあったが？」
泉「違う。私の名は鏡花。探偵社員。宜しく」
其処まで云った鏡花は、飛んで一瞬のうちにスコットの首元まで近づいた
スコット「！」
咄嗟に後退したスコットの頸筋には小さな赤い線が付いた
スコット「なっ…」
距離を取って着地したスコットは喉元を抑えた
スコット「何という野蛮な国だ。こんな少女が刃の届く瞬間まで殺気も無いとは…」
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幸祐 - 月瀬さん» 有難う御座います！指摘助かります！ (2019年7月27日 15時) (
レス) id: 991f5a7ceb (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - いつも 楽しく読ませて頂いてます！あと、｢信念｣が｢新年｣の誤字です… (2019年7月12日 18時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幸祐 | 作成日時：2019年5月10日 20時
