Q 肆 ページ12
幻覚と幻聴はさらに中島を追い込む
職員1「お前の所為だ」
職員2「この世から消え失せるがいい」
職員3「愚図め」
職員4「餓鬼め」
耳を塞いでも聞こえる声に、中島は吠えた
中島「やめろ!やめろおおおォォッ!」
走って、虎の腕で駅を破壊する中島
ナオミ「嫌あああつ!」
ゴキンガキン、とコンクリートが砕ける音が響いた
中島「僕は違う!僕は只…!」
中島が座り込んで頭を抱えた
中島の後ろに、幻覚だが芥川が立った
芥川「これで判ったか?己が何者かを」
――
丁度、太宰がベンチの下に嗤っている人形を見つけた
ガッ、と掴んで能力を発動する
太宰「消えろ」
ー人間失格ー
人形は、消える時ですら笑いながら消えていった
座り込んでいる中島の腕から痣が消えた
?「太宰さんの新しいお友達、ずいぶん壊れやすいんだね」
可愛らしい少年が、物騒な事を云った
否、この少年は――
?「けど、いいんだ」
Q――
夢野久作
夢野「太宰さんを壊す楽しみが残ってるもの☆」
――能力名『ドグラ・マグラ』
太宰「それはおめでとう」
太宰の瞳は一切の光も届いていなかった
夢野「僕を閉じ込めたお礼に、いっぱい苦しめてあげるね」
少年らしい笑顔で、人間として壊れている発言をする夢野
太宰「善く覚えているよ。君ひとり封印する為に、大勢死んだ。けど次は封印等しない。心臓を刳り貫く」
夢野の特徴的な瞳が細められた
夢野「ふふふ。また遊ぼうね太宰さん☆」
列車の扉が閉まり、発射した
太宰が思い出したのは先程の樋口の言葉
――”闘争を制する為ならば、マフィアは手段を選びません”――
太宰「私も策の清濁に拘ってる場合ではない、…か。行くよ敦君」
中島「…」
中島は俯いたまま何も応えない
太宰「立つんだ」
中島は顔を覆った
中島「駄目だ…僕は駄目だ…僕は居ちゃいけなかったんだ…」
涙を流しながら、過去と今の自分に絶望する中島を見て、太宰は微かに目に光が入った
太宰「敦君」
手で、中島の顎を持ち顔を上げさせる太宰
そして――
パン
――叩いた
叩かれた中島は茫然とそのまま固まった
太宰「君から過去を取り上げる権利は私にはない。だが偶には、先輩らしい助言でもしよう。自分を憐れむな。自分を憐れめば、人生は終わりなき悪夢だよ」
誰に重ねてか、太宰はそう云った
中島「…」
太宰「さあ。そろそろ反撃と行こう」
太宰が立ち上がった
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幸祐 - 月瀬さん» 有難う御座います!指摘助かります! (2019年7月27日 15時) (レス) id: 991f5a7ceb (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - いつも 楽しく読ませて頂いてます!あと、「信念」が「新年」の誤字です… (2019年7月12日 18時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幸祐 | 作成日時:2019年5月10日 20時