第256話 楽しめ ページ24
エース「オヤジ〜!!!」
無邪気に笑って手を振ってる兄さんと少し気まずそうに苦笑い気味のイゾウ
ルフィ「あんときのオッサン！2年ぶりだなァ！ニッシシ！」
この怖いもの知らずな弟は昔からだけど
"海賊王"となったオヤジを見てもビビってないのは海賊狩りと黒足、そして骨とニコ･ロビンとロボット
若いのふたりは随分な胆力を持っているらしい
年上組は年の功かーーずっと気になってはいたんだがあの骨は生きているのか死んでいるのか…
まぁ、ルフィが変なのを仲間にしやすいのは昔からだ
正直ゾンビだろうと幽霊だろうと気に入ったら仲間にすると思う
白ひげ「相変わらずクソ生意気な餓鬼だ⋯」
ルフィ「ガキじゃねぇ！待ってろよいつか絶対オッサン追い越しておれが海賊王になるんだからな！」
オヤジはこのタイプの子供はーー
白ひげ「グララララ…!!鼻たれ小僧が言いやがる」
大好きだよねー知ってた
ルフィ「姉ちゃん！体調へーきか？」
貴女「平気だよ。兄さんとイゾウをありがとうねルフィ」
ルフィ「いんや？おれもエースと一緒にいれて楽しかったし！」
ぺらぺらとよく喋るルフィと昔のルフィが重なる
このおしゃべり好きは子供の頃から何も変わっていないんだな
エース「おいルフィ、もういいだろ？お前にはお前の旅がある」
ルフィ「おう、あ、でも姉ちゃん！ぎせー？ぎてつ？が出てきたらよ！おれどこにいても飛んでいくからな！」
貴女「ばかいってんじゃないよ！ルフィ、お前の船旅を楽しめばいいんだーーそれが海賊王なんだろ？」
この世界でいちばん自由なヤツが海賊王
そういつだったか言っていたのだから
ルフィ「おう！」
弟の出立を眺めながらマルコが兄さんとイゾウに私が確実に妊娠していることを伝え、兄さんが興奮した状態で私をぎゅうぎゅうに抱きしめ
マルコが兄さんの頭を足で鷲掴みし吹き飛ばし、家族の笑い声が弾ける
貴女「聞こえてるか？この笑い声の中にお前は産まれてくるんだぞ」
まだ、耳は聞こえていないかもしれない
それでも知って欲しいと思った
私が幼い頃夢描いた居場所を
ラフテルなんかより、ワンピースよりも価値のある宝物のようなこの居場所を
この子供の人生が私や兄さんと違って幼少の頃から笑顔耐えない日々であるように祈って、腹をゆっくり撫でてやった
今日も、隠した命の紙が小さくなる
私はこの子の成長のほとんどを知らずに死ぬだろう
でも、居場所だけはせめてあると、知って欲しかった
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作者名：セラ | 作成日時：2023年9月1日 13時
