第255話 美人は怒ると怖い ページ23
貴女「え、っと⋯これには深い訳がございまして」
背もたれのある椅子に座らされ毛布を肩からかけられ足にもかけられ目の前には美人の怒った顔
美人って怒ると怖いんだな、としみじみ体感する
貴女「それに、ほら、無事だったから問題はなかった、ということで」
「なるわけないでしょう」
私の言葉に被せるように行ってきた彼女らの言葉にぐぅ、と言葉につまる
モビーは以前妊婦を船に乗せていたことがあるらしくそれを調べるための知識があったため、古かった検査機材を買い換えたんだと
私が妊娠しているのではないか、と言われたその日にすぐ
なんという行動力
そうして行われた検査の結果
私は現在妊娠三か月
出産予定は10月から11月にかけてだろう。ということだ
「もうセラのお腹にいる子は立派な胎児なのよ。それにわかる前から体調も悪かったでしょう？圧倒的に栄養不足よ！点滴生活はマストだけど食べたいものがあったら遠慮なく言うのよ。あと吐きたい時は遠慮なく吐いて大丈夫だからね。あ、でも吐いたら水分はしっかり飲みなさいね」
貴女「点滴生活はマストって…」
自分の右腕に繋がれている管を見る
もうされてますが。とはいえまい
貴女「私は何をしたらいいの？」
「なにもしないで」
貴女「は？」
「安静よ！絶対安静！むしろこの大事な時期に暴れ回っても流産してないことの方が奇跡なのよ!?セラの仕事は妊娠5ヶ月ーーいいえ、6ヶ月くらいになるまで安静でいることよ！」
何かしてないと正直落ち着かないんだけどなぁ⋯
マルコ「名前でも考えてりゃあっという間だよぃ」
ぽん、と肩を軽く叩かれる
貴女「名前」
そう言われても正直性別も分からないのに名前が考えられるのだろうかーー男女兼用できるような名前なら平気だろうか
白ひげ「あとはそうだなぁ、お前ェのガキが生まれたあとは島にもよるが冬な場所が多い…編み物でもしてみろ」
オヤジはそんなことを言って笑う
まぁ、確かにそれなら時間は潰せそうだ
それに、何か物を残すというのも悪くは無いのかもしれない
存外寂しがり屋で泣き虫なマルコには必要だろう
貴女「わかった。努力はする」
「絶ッ対よ」
貴女「ハイ」
真顔で迫られた。コワイ
「お〜い！見えたぞォ！エースの弟の船だ！」
救世主とも言えるその声に私はほっとしつつ
兄さんとルフィになて言おうか、と
ほんの少し張っている腹を撫でた
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作者名：セラ | 作成日時：2023年9月1日 13時
