第254話 優しい手 ページ22
私が笑うと赤髪はぱち、と瞬いた後大きく口を開いて笑った
赤髪「それでいいんだ。おれにとってはーーって話しさ」
この人は私たち双子とはロジャーへの感情が違う
赤髪「腹、触っても構わねぇか？」
貴女「いいけど…」
なんとなく腹を触ってもそこはまぁ、膨らんでは無い
突っ張ってる感覚はあるけど…こんな腹を触っても楽しくはないだろ
そういう意味を込めて赤髪をちら、とみても彼の目は変わらない
やれやれと思いつつ ん、と手をどかせば彼は怖々腹を触ってきた
赤髪「この子は白ひげやマルコが守ってくれる。エースやアンタが感じたものは感じずに済むだろう」
貴女「そう、だね」
多分この人は何となく気がついている
私の寿命が残り少ないことに
ほんの少しの憂いを
貴女「ありがとう、赤髪」
その憂いだって親父や兄さんやマルコがどうにかしてくれると、そう言ってくれているんだ
マルコ「セラ」
なんかちょっと不機嫌な顔のマルコに呼ばれつつ肩を抱かれる
マルコ「じゃ…!!送ってくれてありがとよい!!」
マルコが一気に腕と足だけ鳥になりつつ私を背に乗せて飛ぶ
赤髪「何だ。ウチの
マルコ「ハハハ馬鹿言え!!もうコリゴリだよい!!へへ…」
赤髪「バーカおれは手ェかからねェよ!!なァベック!!」
ベックマン「かかる」
まるでコントみたいだと思いつつ
マルコ「…それにあの野郎おれより先に腹に触りやがって」
と、毒を吐いたことは私にはバッチリ聞こえてた
マルコがどういう意図で赤髪の船に寄ったのか全てを知るのことは難しい
でも私を思ってのことだということだけはわかるよ
貴女「これから散々触るつもりのくせに何言ってんの」
マルコ「当たり前ェだよィおれ達の子供だよィ。まぁ帰ったら色んな検査が待ち受けてるから頑張るんだねぃ」
貴女「それは本当にやめて欲しい」
そういえば、赤髪の手は優しかったな
娘がいたからこそだろうか…それにしては妊婦には慣れてないようだったが…ま、血縁のあるなしは関係ないか
散々怒られるだろうな
無理するなとか無茶するなとか口酸っぱく言われて行ったのに…いや、無理はしてない。してないぞ断言するぞ
私は頑張ったもん
イゾウも助けたし
褒められこそすれ怒られることはないもんね
．
．
．
ーーと、思っていた私をぶん殴りたい
「何か言いたいことはあるかしら？」
急募:笑顔で怒っているナースの姐さんのなだめ方
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作者名：セラ | 作成日時：2023年9月1日 13時
