社畜の私は推しを守る力を手に入れられたらしい。Ⅷ (ページ15)

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第247話死んで欲しくないページ15

イゾウのその言葉にうーん、とうなる

貴女「ちょっと……違う、かなぁ？オヤジにもマルコにも兄さんにも勿論イゾウが死にたがってるからどうにかしろ。なんて言われてないし。私がイゾウを死なせたくなかったんだよ」

海賊なのだからいずれなにかの戦いで死ぬ可能性はある
人間なのだから必ず寿命というものがある

寿命については私も重々理解している

それでも

貴女「オヤジもマルコも兄さんも、他の兄貴分たちもさ、結構寂しがり屋なんだ」

2年前のことがあるからだろうけど
それでも"家族"が死ぬということは辛いことだ

貴女「だから、イヤだった。ダメだとおもった。生きて、生きて生き抜いて欲しかった」

白ひげ海賊団はサッチの死を明確に覚えていて、いつだってその存在はモビーにほんのり悲しいくらい影を落とす

たった2年、されど2年

きっと何十年経っても彼の死というものはほんのり寂しい悔しい複雑なニュアンスを持ちつづける

そこにまた1人増やしたくなかった

貴女「私のエゴだよ」

イゾウ「ははっ、海賊なんてモンはそんなもんだ。自分が欲しいモンを手に入れるもんさ。マルコも勿論お前を手に入れるために色々やってたんだぞ？知らんだろう」

初めて聞く話だ

イゾウ「おれはこの場所で死ぬ気だった。おでん様の敵を撃てたらおれにはやる事がねぇって思ってたからな。でも、違うってことをセラ、お前が教えてくれたんだ」

ぽす、と頭を撫でられる

イゾウ「ありがとうセラ。お前のお陰でおれはまたオヤジの元に戻れるし海賊を続けられる」

貴女「イゾウ……」

錦えもん「おお！イゾウ！」

団子屋の椅子に座っていた錦えもんが立ち上がり大声でイゾウの名を呼ぶ
イゾウが軽く手を挙げた

イゾウ「まぁ、ただお前もオヤジにゃたんと叱られるだろうから覚悟はしとけよ」

にや、とどこぞの猫のように笑うイゾウはびっくりするくらい海賊らしくて

本当は生きのびてもワノ国で下線してしまうんじゃないかって怖かったんだけどこれなら大丈夫そうだと一安心

貴女「イゾウと一緒に怒られれば半々で済むと思わない？」

イゾウ「思わねぇな。特にマルコからのお説教は」

貴女「そんなこと言われてもさぁ…体が勝手に動いたんだから仕方なく無い？」

寿命大量譲渡という私の自己満足でもなんでもないことを「ありがとう」と言ってくれたことでようやくワノ国の全てが終わったのだと実感できた