夜空のソーダ割り【鉢屋三郎】

9* 顔面偏差値(竹谷side) ページ9

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「顔面偏差値ランキング？」


「そ！Aちゃんがよく出てくる！」



朝の一件から俺らの中での話題はAのことで持ちきりだ。


今だって、俺と勘右衛門と兵助と雷蔵とのトークテーマ。あ、鉢屋は補修。


俺とAは今年から同じクラスになって、まだ友達になって間もない。


にも関わらず、かなり仲がいいと自負している。


俺が入ってる生物委員会の活動の一つ、飼育小屋の掃除が1人だった時、声をかけてきたのがAだった。


俺が1人で掃除しているのを見かねて手伝ってくれたのだ。


そんな友達が『学校顔面偏差値ランキング』なるものに入っているとは…


確かに顔は整っていると思う。


思うんだけど…



「なんかこう…女子として見れない感じ…？」


「いや八左ヱ門、そっちの方が失礼だと思うぞ？」


「え、兵助も可愛いって思ってたのか！？」


「うーん、可愛いというか…美人…って感じ？」


「お前に言われたら歓喜だろうな…」



前にAに兵助のことを話した時、『オーラが美人』とか言ってたことを思い出す。


「わかる、可愛い3:美人7ぐらいだよな。」



どこの統計だよ…



「Aさん、すごいいい人だったよ〜！話してて楽しかったし」


「そういえば雷蔵、昼休みに話してたよな」


「えぇー！俺も話したかったー！」



勘右衛門は相当Aを気に入ってるんだな。


っと、あれ、昇降口で立ってんのA？



「A、どうした？」


「うおっ、竹谷。と、不破くんと美人…えっと久々知くんと、……尾浜くん…？」


「そー！覚えててくれたんだ！」


「う、まぁ…。えー、何をしてるかと言いますと、雨宿りです」



昼あたりに俺にこっそり名前を聞きに来たのは、なかったことにしよう。



「傘ないのか？」


「盗られちゃったみたいで」


「えっ！そうなの！？うわぁーこんなことなら傘持ってこればよかった…兵助に入れてもらうつもりで来てた…」


「俺をあてにするのはやめてくれ」



なるほど、やむまで待ってるわけか。


傘立てに置いておくと結構無くなるよな。



「俺の傘か雷蔵の傘に入っていくか？」


「いい、いい！竹谷の家と逆方向だし。きっと不破くんも。全然大丈夫だから！」


「そっかごめんな…気をつけてな」



送って行きたかったが、俺もこの後予定があって…すまんA。


Aに別れを告げ、帰路につく。


うーん、確かに整ってはいる…なんて言うんだっけ、残念な美人？




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