36* 茜色の距離 ページ36
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隣に座る彼は、その大きく角張った手には少し不釣り合いなスイーツフォークで、半分になったパンケーキを頬張っている。
私はもう一枚焼くと言ったのだが、一枚全部は食べきれないから、と私のを半分わけた。
甘いもの苦手なのかな。
その割には、普通に食べてるけど。
「…なんだ？」
スッ、と鉢屋の視線がこちらに向き、私は思わず身構える。
しまった、じっと見ていたのがばれたか。
「甘いもの苦手なのかなって」
「あー、苦手ではないが、あまり食べないな。休日は勘右衛門に付き合わされて、カフェにはよく行くが」
鉢屋は最後の一口を口に放り、手を合わせた。
律儀だ。
「ごちそうさまでした」
「あ、お粗末さまでした」
親指の平で、口を拭い、おしぼりで手を拭く。
ひとつひとつの動作に目を奪われる。
「尾浜くんは好きそうだよね、ケーキとか」
「あいつ7個とか余裕で食うからな…わたしはコーヒーだけ頼んで、勘右衛門に少しもらう程度だ」
机いっぱいに広がったケーキに、目を光らせる尾浜くん…
そしてそんな彼の向かいには、コーヒーを啜る鉢屋か…。
仲いいな。
想像すると、頬が緩む。
「なんかいいことでもあったのか？」
鉢屋の休日が知れただけでいいことです。
「なーんにもっ」
ごまかそうと、半ば飛び跳ね気味で、窓際に行って外を見る。
もうすぐフォークダンスが始まるようだった。
それぞれが、きっと何かを思って始まるのを待っているのだろう。
夕焼けが赤く滲む空が、グラウンドのみんなを照らす。
鉢屋もゆっくりと席を立ち、隣に並んだ。
いつもとは真逆の色で包まれた、ふたりの距離は変わらない。
いいね、みんな、叶うといいね。
私はきっと、このまま変わらないんだろうな。
この想いも、この距離も。
それでもいいか、なんて。
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度々失礼します。
先日の更新がかなり遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
のにも関わらず、いつもよりたくさんの方に見てもらえて…ほんとうにありがとうございます。
コメントや、評価もいつもたいへん励みになっております。
相変わらず更新頻度が低いですが、お暇な時間にご一緒させて頂けたらと思います。
今後とも、宜しくお願いいたします。
37* 夕焼け小焼け(鉢屋side)→←35* ゆでダコ×2
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あ - はーもう何回読んでもキュンキュンです更新待ってます！ (2021年9月12日 18時) (
レス) id: 5d4ddc9a48 (このIDを非表示/違反報告)
moufu0727(プロフ) - すっっっごく素敵です！！更新されるのを楽しみにしています(^ ^) (2021年5月5日 13時) (レス) id: be7d571388 (このIDを非表示/違反報告)
はすいろ(プロフ) - 題名忘れて二年間ぐらいずっと探してました！更新待ってます！ (2020年5月16日 3時) (レス) id: 0c8b5c5d9d (このIDを非表示/違反報告)
夢少女リノ - 続きを踊りながら待機 (2017年12月12日 5時) (レス) id: 228e8ecf3d (このIDを非表示/違反報告)
Ａｏｈａ - なんか私高屋さんみたいな親友ほしい。出来れば鉢屋みたいな彼氏がほしい。続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2017年12月12日 1時) (レス) id: 99600ecbc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RITZ(リッツ) | 作成日時：2017年8月18日 2時
