16* 男女観 ページ16
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「危なかったなー…」
「ほんと…あそこで怒り噴火しちゃったら大変だった…」
「お前よく気づいたな…グッジョブすぎる…」
「いや…今日も藍沢さん絶好調だなと思って見てただけだよ…」
「それは激しく同意だ…」
文化委員になってからというもの、藍沢さんは鉢屋にべったりだ。
藍沢さんのラブアピールが増せば増すほど、鉢屋の不機嫌ゲージが上がっていく。
それはもう目に見えるほどに。
文化祭の準備でぶつかるのは、もはや恒例行事。
ぶつかるのは悪くないが、タブーなのは文化委員が放棄すること…だと思っている。
鉢屋は立候補じゃないから、わからなくもないが、それをやってしまうと色々と面倒だ。
去年大変だったからな…この話はまたの機会にでも。
「俺に言いに来た時、Aの顔、真っ青だったからな」
「だって必死だったし…1人で生贄されるのは無理だし…」
「俺という名のメシアを召喚したわけだ…感謝したまえよ」
「あーはいはいありがとうございます」
竹谷とは話のテンポが合うので、正直すごく楽しい。
調子に乗るから、絶対に言わないけど。
「これで買い出し全部?」
「っぽいな」
「よし、戻ろっか」
全て買い終えると、大きい袋3つ分になっていた。
袋を持つと結構な重量だ。
んん…いや、片手でいける。負けるな私。
私が袋と格闘していると、片手がスッと軽くなった。
「お前、一応女子なんだからそんな無理するなって。1個持ってくれれば充分だぞ?」
さり気ない…今のはとてもさり気ない気遣いだった。
竹谷も実は女子から人気あるんだよね。
本人は全く気づいてなくて、すぐ『彼女ほしい』って嘆くけど。
少女漫画のような恋をするにはぴったりのやつじゃないか?
かなりいいやつだし、面白いし、顔も良い方、じゃないかな。
私がもう少し乙女の心を持ち合わせていたら、惚れてたと思う。
まぁないけど。
「ごめんありがと。…それにしても竹谷にちゃんと女子認識されてたとは…」
「一応、な?この前みんなにAは異性として見てないって言ったら怒られたから」
「それは失礼だな。でも同意」
「だよなー。あー彼女欲しい…」
大丈夫、出来るさ、いつかは。
暦は6月、雲が出てきて湿度が上がってきた。
重い袋をひっさげて、歩いて帰るには十分な暑さだ。
早く帰ろう。
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あ - はーもう何回読んでもキュンキュンです更新待ってます! (2021年9月12日 18時) (レス) id: 5d4ddc9a48 (このIDを非表示/違反報告)
moufu0727(プロフ) - すっっっごく素敵です!!更新されるのを楽しみにしています(^ ^) (2021年5月5日 13時) (レス) id: be7d571388 (このIDを非表示/違反報告)
はすいろ(プロフ) - 題名忘れて二年間ぐらいずっと探してました!更新待ってます! (2020年5月16日 3時) (レス) id: 0c8b5c5d9d (このIDを非表示/違反報告)
夢少女リノ - 続きを踊りながら待機 (2017年12月12日 5時) (レス) id: 228e8ecf3d (このIDを非表示/違反報告)
Aoha - なんか私高屋さんみたいな親友ほしい。出来れば鉢屋みたいな彼氏がほしい。続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2017年12月12日 1時) (レス) id: 99600ecbc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RITZ(リッツ) | 作成日時:2017年8月18日 2時