【クロコダイル】JEWELRY【ONEPICE】 (ページ8)

今日:21 hit、昨日:4 hit、合計:91,489 hit

御代は観葉植物でページ8

*

あれから２日ほど砂漠を歩き、やっとの思いでヘズバドゥという港町へ着いた

完全にヘトヘトだった私はスタスタと歩いていくクロコダイルとダズの後ろを少し離れて着いていく

やはり、今回も根城になるのは街一番のホテルの最上階だった

ホテルの見てくれは豪華絢爛といった感じで、街並みはクロコダイルが昔統治していたレインベースという場所に似ていた

以前写真で見たその賑わいを見せる街とこの場所が何となく結び付く

ロビーに入っても、客が貴族のような者や明らかな金持ちばかり
しかし、クロコダイルはそんな客に物怖じすることなく
＿＿＿＿逆に堂々とした様子でフロントへと進んで行く

私はフロントで何かを話すクロコダイルを近くの柱に寄りかかって眺めていた

砂漠の王だとか呼ばれていたけれど...確かに、ここでもその名前は似合うものだなと思う

大きな体にかけられた上質なコートに、指で煌めく明らかに高価そうな指輪の数々
服装は至って上品で、柄物を着ていても何故か茶目っ気などは出ずに静かに纏まっている

黄金の瞳を携えて、その顔の中心には筋の通った鼻があり
両耳を結ぶような顔の傷跡も、クロコダイルの均整の取れた顔にはスパイスのようなアクセントを加えているだけだった

何が言いたいのかというと、クロコダイルはイケているということだ

ここでは彼の顔が割れていないのか、既に数人の女性たちがチラチラと彼を窺っている

私は心のなかでモテる男は辛いねェ、と毒を吐いてから早く終わらないものかと未だ何かを喋りかけるクロコダイルの背中を見つめた

「A...ボスが呼んでいる」

「ん」

ボーッとしていれば、クロコダイルに呼ばれたダズが戻ってきた

クロコダイルが此方をチラ、と見たのであぁ"アレ"か...と納得してからダズに手を上げて彼の元へと駆け寄った

「＿＿＿＿幾らで？」

クロコダイルに尋ねたつもりだったのだが、フロントマンは愛想笑いを蓄えながら"一泊200万ベリーです"と答えた

まぁ、このレベルのグレードのホテルのスイートを取るなら妥当だろうと私は近くにあった観葉植物に手を伸ばす

クロコダイルはそれを一瞥してから、私だけに分かるように多めに出しとけと呟いた。まさか保険でもかけているのだろうか

兎に角、私は乱雑にちぎった観葉植物を手の中で細かくしてそれを包み込んだ

「御代はこれで。釣りは要りません」

バラバラ、とそれをフロントデスクに溢したのを確認してクロコダイルは踵を返す

フロントマンが呆然としたのを見てから、私とダズは部屋へ向かう彼の後を追った