【クロコダイル】JEWELRY【ONEPICE】 (ページ5)

今日:22 hit、昨日:4 hit、合計:91,490 hit

砂漠の野犬ページ5

*

クロコダイルは元々グランドラインの入り口辺りにある"アラバスタ"という国を支配していた男だ

それを知ったのは、かなり前に見た新聞で彼が王下七武海の称号を剥奪されたという見出しを読んだときなのだが

アラバスタは砂漠の国、スナスナの実の能力者の彼はまさに独壇場と言った感じだったのだろうが
何故、あの時に見たただの少年に敗北したのか未だに疑問だった

「ボス、砂漠で上手く歩く方法って無いんですかね」

私たちは現在、街を出てすぐの砂漠のような場所を歩いている

私の少し前を行くダズも、元々クロコダイルの部下だったらしく砂の上を歩くのに馴れているようだった

クロコダイルは私の呟きに振り返ると、お前が遅いからもう日が暮れそうだと嫌味を漏らしてまた進んでいく

私は砂漠など歩いたことがない

馴れてるアンタたちと一緒にするな、と言いたかったけれど自分が遅いのも事実なので黙って足を動かした

「靴下が砂だらけだ...流石に馴れていると歩くスピードが早いな」

日も暮れたため、私たちは砂漠の中で見つけた岩場のような場所に野宿することにした

焚き火を起こした時に不快感を感じていたブーツを脱ぐと、案の定中には砂が大量に入り込んでいる
ブーツも良いものを履いていたため、汚れたのがかなり癪だ

「砂漠は歩いていれば馴れていくものだ、それよりおれはお前が暑さに文句を言い出さなかった方が意外だった」

ダズは何かを思い出すようにそう呟くと、クロコダイルも同意するようにクハハと笑う

確かに、私は以前この二人の前で"暑い"と文句を垂れたことがあったが...

そんな前のことを引っ張り出されるとは思わず、何となく羞恥心を感じた私は言い訳がましくあのときは＿＿＿＿と続けた

「あの時は、まさかアンタたち二人と新世界へ入るなんて考えもしなかった」

「それはおれも同じだ」

ダズの言葉は私の言うこととは明らかに違う意味を含んでいる。
それはそうだろう、あの時は自分でもこの二人へ着いていこうとする自らを疑ったものだ

自分がまさか＿＿＿＿誰かの下で付き従うなんて

「初めの頃はこの野犬によく手を噛まれたもんだぜ...」

「まぁ、それは初めから言ってたことでしょう」

悪びれる様子もない私の態度にクロコダイルは葉巻と共にため息を吐き出して、それもそうだと諦めるように呟いた

あの時は人に従うなんて死んでも御免だと思っていたけれど＿＿＿＿

クロコダイルになら構わないか、と何故か今になって思えるのだ