【クロコダイル】JEWELRY【ONEPICE】 (ページ40)

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夢見ページ40

*

「っ...！！」

ガバッ、と起き上がれば私を乗せていたラクダがこちらを振り返る

ヒト語は通じるか知らないけれど、"構わずにさっさと行って"と言えばラクダは何故か気を良くして先程より早いスピードで歩き始めた

...最近は二年前の夢ばかり見る

インペルダウンから脱獄して、それからのことを
後悔なんてものをしているかもしれないし、ただ思い出に浸っているだけかもしれない

それは分からないけど、最近見たものはとにかく夢見が悪かった

「あ～～、クソ...何かダメだ」

どうにもこうにも、あの時のことを思い出すとブルーな気分になるらしくてガシガシと頭を掻く

その時にふと、クロコダイルに撫でられたときの感触が思い出されて＿＿＿＿

胸の内にある蟠りのようなものが、熱い紅茶に砂糖が溶けるようにすっと消えていくような気がする

「...らしくないな、早く帰りたいだなんて」

一時の過ちのような考えだと思うけれど
早く彼の元へ戻って、あの黄金のような瞳に見つめられたかった

月夜が照らす砂丘を越えれば、もうすぐ目的地の情報屋が根城にするヘズバドゥの外れ

カンマヌーンという町へ着く
海賊の溜まり場だか何だか知らないけれど、負ける気はしないからそこは安心だ

「お前は危ないから、ここまでだ」

ラクダはヴォ...と不服そうに鳴くが、海賊には仁義だなんだという麦わらみたいな脳内お花畑野郎もいるが

大抵は姑息な奴だったり、血の気の多い奴だったりする。憂さ晴らしに動物だって殺す奴もいるだろう

帰るときの交通手段が無くなるのもイヤだったし、第一殺されては寝覚めが悪い

「明け方には戻ってくるさ、さぁ...大人しくここにいるんだ」

ラクダを町近くにある人気のない空き家の前に繋いで、水などを置いておく
そんなに長居する予定もないし、これくらいで大丈夫だろう

荷物を持ち、町の方まで歩いていけば何とも治安が悪いところを全面に押し出した入り口が見えてくる

辺りに転がる人骨は無視して町へ入れば、深夜だというのにヘズバドゥの中心街とは違った品の悪い賑やかさが広がっていた

「早く情報屋を見つけてトンズラしよう...」

と言っても、クロコダイルに貰った地図にはその情報屋の居場所なんか書いていない

付属されていたメモには、"奴は転々としているから居場所はてめェで探せ"と綺麗な字で書かれてあった

「...まぁ、聞いたほうが早いよなぁ」

情報屋の情報を聞くって何だよ、と思いつつ気は進まないが私は手短に近くの酒場へと足を踏み入れた