最強チーム ページ21
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おれはイワンコフに弱味を握られているから、カタチ上今は大人しくしておこうと思った
奴の部下らしき男に海楼石の手錠を切って貰えば、不調が回復していくようにどんどん力が漲ってくる
久々に鉄格子の外へ出れば、自然と数ヶ月言葉を交わしていた女に目が行く
コイツには利用価値がある...それもおれの望む以上の
戦闘力もそう、コイツの悪魔の実の能力もそう...利用できるものは利用する
今からマリンフォードへと向かうというのだ、戦力は多い方が良い
但し、使えねェ雑魚を数多く取っても無駄だ
一人で一人旅団並みの戦力のある奴を数人連れていった方が無駄がなくて良い
「お嬢さん、Aと言ったな...おれと来る気はねェか？」
そう言って鉄格子越しにおれを見上げる女に手を伸ばす。
奴はこの牢獄に居ながらも快活な笑顔を絶やさない女だった。コイツがこれからどんな力を見せてくれるのか、どんな顔を見せてくれるのか...
おれは珍しく"淡い期待"なんかも抱いていたかもしれない
「もしかすると、火傷するかも」
「かまわねェ...砂に火は効かねェからな」
おれの手を取った女はおれの呟きを聞くと、ふははといつもの特徴的な笑い声を上げて"やっぱりアンタは面白いや"と言う
おれはすぐに麦わらを呼んで、コイツの牢も開けろと言った
「誰だ？コイツ」
「ふはは、火拳に聞いてた通り礼儀もクソもないね麦わらくん」
鉄格子越しに麦わらに笑いかけると、奴は火拳のエースから"弟をよろしく"と言われたことやお前の話は聞いている、などと警戒心を削ぐようなことを言ってのけた
まぁ、全て事実ではあるのだがやはりこの女...抜かりがない
「そっか...！！お前、エースの知り合いなのか！」
「火拳の救出に向かうんだろう。君に着いていきたい」
どうかな、と人良さげに笑う女に麦わらは完全に警戒心を解いたようであっさりとイワンコフの部下に命じて彼女の牢と鎖を解いた
伸びをして檻から出てくるが、やはり隣に立たれると中々背の大きな女だと思った
麦わらもデケェ、と感嘆の声を漏らしている
「ヴァナータ...宝帝ね？即戦力になってくれるのは嬉しいッチャブルけど...正直、ヴァナータの良い噂は聞かないわ」
「こんな所に幽閉される悪人に、良い噂も悪い噂もないだろう」
彼女の返答にイワンコフは対して気にした様子もなく、それもそうねと納得したようだった
戦えるか、と聞いてみれば勿論という頼もしい返事が返ってくる辺り＿＿＿＿
おれの見る目は劣っていなかったのだと良い人材に出会えたこの日に感謝した
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作者名：RIOT(別垢にいみ)
| 作成日時：2019年11月24日 23時
