【クロコダイル】JEWELRY【ONEPICE】 (ページ3)

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BOSS ページ3

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私の朝は早い＿＿＿＿

ピピッ、と鳴った目覚ましは6時を指している

根城にしているここもそろそろ移動する時期だろう、などと考えながらお馴染みの黒い質の良いシャツに身を包む

私のボスは服装にかなりの拘りを持っている。
下手な格好をして彼に呆れた目を向けられるのだけは癪だったので、かなり気を使っているのだ

シャツ同様、質の良いパンツを身につけた時に部屋の扉がノックされる

容赦のない粗雑なノックをするのは"あの人"しかいない＿＿＿＿

「おはようございます」

「＿＿＿あァ」

私は目だけをそちらへ向けて、入ってきた主に挨拶をする。初めは敬語を使わずに挨拶もしないもんだから頭を叩かれたりしていたものだ

その主はシルクのリバーシブルアスコットタイを締めながら、私の部屋の奥にある洗面所へと向かっていく

確か、昨日の夜もう一つの洗面所の水が止まらなくなったとか言って軽いパニック状態になったのを思い出した。私も、もう一人の部下も当の本人も水道管を直す術など持ち合わせていない

仕方なく私の部屋のものを使う、という結論に至って眠ったのだったか

「おい、A...てめェもう少し洗面所を綺麗に使わねェか」

「そりゃ、すみません」

私は身支度を済ませてから髭を剃る主の横から散らかしていたアメニティの袋を集める

捨てるのも何なので、と集めたゴミを丸めてから手の中に入れた
主はソイツを滞在費に回すか、と呟きながら泡だらけのサンタクロースのような顔を水で洗い流した

「今日の朝飯は随分とまぁ奮発しましたね」

ここは現在私たちが根城にしている街の一番のホテルで
勿論豪華絢爛な暮らしに馴れているウチのボスはそこの最上階の大部屋を一月も貸し切った。

そこも、最近は海軍の姿を町でちらほら見かけるようになったため今日、手放すことになってしまうのだが

主は最後の晩餐とでも言うように、朝食から豪勢なものを用意させたのだ

まぁ、こんな量の飯を誰が食べるのだろう...頼んだならお前ちゃんと食えよ、と言いたくなって私は口を結んだ

もう私は、この男と"同じ立場"ではない＿＿＿

クロコダイル＿＿＿＿彼は今、私のボスなのだから

「お前らの好きなだけ食え、金はあるんだ」

クロコダイルは調子よく、クハハと笑うと食事には目もくれず真っ先に口の端に咥えた葉巻に静かに火を灯した