【クロコダイル】JEWELRY【ONEPICE】 (ページ20)

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脱獄囚ページ20

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弟くんがやって来たのは、火拳が連行されてすぐの話だった

ドタバタと走ってやって来た少年のサイドに居たのは革命軍の"エンポリオ・イワンコフ""イナズマ"の二人

なぜ彼ら二人が火拳のエース救出に加担しているのかは疑問だったが火拳がいなくなった牢獄の隣からその様子を伺う

「エース...！！！...いねェぞ！！」

「この檻で間違いないんでしょうね！！？」

「一歩遅かったようだ...！」

間に合わなかったことを悟ったらしい三人は苦い顔をするが、隣の牢の男が声を張り上げて"まだ間に合う"と叫ぶ

果たして、あのマゼランがそう簡単に兄を追わせてくれるだろうかと思っていれば
案の定リフトも階段も塞がれ、行く手を完全に失ってしまう

トドメだというように、階段からは強めの睡眠ガスが流れ込んでくる

LEVEL6の囚人たちが次々と眠っていく中、革命家のイナズマが自身の能力を活かしてそのガスの出る階段を閉じた

もう、策は尽きた＿＿＿＿完全に監獄側の作戦勝ちだ

「エースボーイの身柄は海軍本部へ渡ってしまう。諦めるんだね...＿＿いえ、後は"白ひげ"に賭けるしか...」

「だったら、おれ行くよ！！"海軍本部"」

はぁ...この火拳の弟、本当にクロコダイルを破ったのか甚だ疑問だけれど

随分と無鉄砲で命知らずな男だ
本当にそれ相応の力があるのか、はたまた過信か

このLEVEL6までたどり着いたのは中々だと思うけれど、見る限り肉体の限界を既に越えている

火拳が心配するのも何となく分かるな、と肩を震わせてクツクツ笑った

「ここを抜けたきゃおれを解放しろ....！！おれなら、この天井に穴を開けられる！！どうだ麦わら....クハハハ」

「クロコダイル！！！」

笑っていれば、向かいの牢ではなんと元敵同士の二人が奇跡の鉢合わせを起こしている

中々面白そうな状況に俄然興味が湧いてきた

クロコダイルが"麦わら"と呼んだ男と話ながらチラ、と此方を見てくる
私はいつもの通り腹を抱えて笑うフリをしながら、イワンコフに弱味を握られて苦い顔をする彼を眺めた

どうやら、クロコダイルと隣の牢にいた七武海のジンベエは一足先にシャバの空気を吸うことに決まったらしい

これでもう、二人も話し相手がいなくなった

不満げに俯いていれば、イナズマの能力によって出て来たクロコダイルは笑いながら私の牢へと歩いてくる

「お嬢さん、Aと言ったな...おれと来る気はねェか？」

お前なら歓迎しよう、と伸ばされた手は出会って数ヶ月目で初めて握る

話に聞いていた通り、私を誘おうなんて本当に面白い男だと思った