【クロコダイル】JEWELRY【ONEPICE】 (ページ17)

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選別しろよページ17

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Aを部下へ引き入れた時、おれは自ら奴の分かるだけの情報をあらゆる手のものから手繰り寄せた

奴の能力は有名ではあったが、奴本人のことは新聞で読んだ程度でしか知らない

実力は未知数だと思っていた...何より、おれは誰も信用しちゃいないが
アイツをビジネスパートナーにしたいとは、監獄にいたときから予々考えていたことだったからだ

「しかし、サー・クロコダイル..."宝帝"の情報を集めて一体どうするんで？」

「...なぁに、少々賭け金のデカイギャンブルさ」

ある時情報を提供してもらった情報屋におれはそう答えたが＿＿＿＿
ギャンブルというより、今は育成と言った方がいいかも知れない

奴は二年一緒にいるうちに分かったことだが、戦闘の実力も億越えに相応しいものであったし

第一、おれを"上司"だと認識すれば...
最初こそその野犬ぶりに手を焼いたが、アイツはおれを"ボス"と呼んだ

「ボス、これ...何か出てきたので差し上げます」

「あァ？」

Aは珍しく目と鼻先を赤くして、渋々といった様子でおれの手に何かを握らせてくる

コロコロと転がってきた数十粒は、淡白に煌めく淡い色合いのパール
純度の高いそれは、覗いてみればおれとAの顔を反射している

コイツが真珠を出すことなんて、今まであっただろうかと考えながらさっきのやり取りを思い出した

まさか、コイツ＿＿＿＿

「＿＿＿＿いらねェよ」

自分の中で一つの結論に行き着いたおれは、自分の手の中にあったパールをAの手へ無理矢理戻した

わ、と突然のことに対応出来なかったのかAの手からは数粒のパールがポロポロと溢れ落ちた

何でですか、と首をかしげるAを横目で見ながら、コイツも随分と不器用な女だと心の中で笑う

「女の涙から出来た真珠なんて、貰っても嬉しかねェんだよ」

「...え？」

「出すなら、おれが見惚れるような綺麗なモンを出しやがれ」

話はそれだけだ、と言っておれはAから逃げるように自室へ戻る
あの、ボス、だの呼び掛けてくるが片手を上げてそれを振り払った

バタン、と扉を閉めて一息吐く
口に咥えていた葉巻は噛み締めていたせいか、歯形がしっかりとついていてもう使い物にはなりそうにない

おれはわしゃわしゃ、と綺麗に整えた自分の頭を掻いてさっき洩らした失言のことに考えを巡らした

自分でも、バカなことを言ったと思う＿＿＿＿

奴には利用価値がある、そう思っているだけだというのに