【クロコダイル】JEWELRY【ONEPICE】 (ページ12)

今日:23 hit、昨日:4 hit、合計:91,491 hit

悪魔の宝帝ページ12

*

朝の新聞を持ってきた看守を脅して聞いた話によると、今朝あの"宝帝"がこのインペルダウンへ護送されてきたと知った

宝帝とは＿＿＿＿

宝帝のAという二つ名を持つ女で
そのバウンティは24歳という若さにして、4億7000万ベリー

海賊でもないその女が何故、海軍にそれほどまでに危険視されているのかと言うとこういう噂があったからだった

"奴の現れた場所では、どんな奴でも人格が変わったように殺し合いを始めて遂には滅んでしまう"

初めはそういう悪魔の実の力だと思っていたが、奴の二つ名と自分の知る限りの悪魔の実の情報を並べてみれば直ぐに結論が見いだせた

その噂が、奴の能力が原因なのは確かだ

しかし、人に殺し合いをさせる能力などではない。奴の能力は、その争いの種を産み出すものだ

実際に女を見てみれば、2mは超えているであろう女にしては大きめの背丈
しかし、体自体は線が細く腰も足もスラリとしていて囚人服を着ていても多くの者の目を惹き付けた

大きく開いた胸元から見える立派な谷間を見ては、男たちは鉄格子越しに湧く

色素の薄い髪から覗いた瞳はギラギラとしていて、かなりの手練れだと感じさせられた

その片目に走った傷跡は、整った女の顔を危険な香りに上手く引き立てている

「せいぜい死ぬまで獄中生活を楽しむんだな」

マゼランにそう言われて、女は牢獄へと放り込まれる。斜め向かいの牢からは痛ェ、などと声を上げたのが聞こえた

生憎、同じ牢獄では無いが斜め前の獄とは奴のことを知るには中々良いポジションだ

クハハ、と一人静かに笑って鉄格子の向こうでのそりと起き上がる女を見る

その後ろには、今にも襲いかかろうと涎を垂らす男の囚人達が群がっていた

まぁ、このインペルダウンLEVEL6
女の囚人はもう一人いるのだが、ソイツは容姿の問題か強さの問題か知らんが、誰も抱くものはいない

しかし、この女は上玉であり人の欲を煽るような魅力のある奴だった
そういう行為が長らくご無沙汰な囚人達からすれば、願ってもない玩具が放り出されたようなものだ

今日は一日中奴の喘ぎ声を聞く羽目になりそうだ、と逆にそれにも興味が湧いてきた時＿＿＿

「見てんじゃねェよ、ぶち殺すぞ」

女がそう呟いたのを皮切りに、その一日中向かいの牢から謎の喘ぐ声が止むことはなかった

いや...それは喘ぐというよりは、人が死ぬときの断末魔によく似たものだった

その証拠に、次の日奴の収容された牢獄を覗けば住人はソイツただ一人になっていたのだから