獄中生活 ページ11
*
普通の護送とは明らかに違う手筈だと私は初めての経験ながらに察した
海軍に捕縛されるなど、24年間生きてきた中では初めての経験だったし
それは一生ないことだと自信満々に思っていたからこそ、私はそこへ収容される前からどうやって逃げ出してやろうかと考えていた
「早く歩け！」
そこへ辿り着けば、私を連行してきた自分より随分背丈の低い海兵が私の鎖を引いた
女だからと油断しているのかは知らないが、適当に返事をしてから言われるがままに歩き出す
ここは海底監獄インペルダウン
国際統治機関である世界政府が設置した凶悪海賊を収容するための刑務所だ
私は海軍に連行されるがまま、インペルダウンの入り口へと歩いていく
そして、わざわざ出迎えてくれたのはここの所長であるマゼランという男だった
「よく来たな、宝帝...海軍が血眼になって探していると思えば、思ったよりあっさり捕らえられたのだな」
「余計なお世話だ」
ケッ、と吐き捨てるとマゼランは何も言わず、直ぐに私の身柄を引き渡す手続きをしてからリフトへと乗る
その中では此処にはどんな地獄があるだとか、それぞれのレベルの囚人にはどんな奴がいるだとか聞かされた
「なぁ、アンタは私にそれを話して...一体どうするんだ？もし私が脱獄を考えているとしたら、情報を与えてるもんだろ」
素直にそう思ったので尋ねてみれば、リフトは奴の口からは出なかった"LEVEL6"という場所で止まった
LEVEL6だと...海兵はそんな話、していなかった筈だ
「無論、私の話したことを貴様が聞いても何の問題もない。ここはLEVEL6、無限地獄と呼ばれている。凶悪性の高さから存在を揉み消された囚人達の投獄される場所だ」
「...存在ごと消そうっての」
「貴様は自分の立場をよく理解していないようだが、あれだけの懸賞金をつけられていて残虐な殺しを行っていれば妥当だろう」
当然、脱獄など無理な話だとマゼランは私を牢獄へと案内しながら笑い飛ばす
確かに、こんな地下深く＿＿＿＿
それも海楼石の錠が着いた今の状態では脱獄など無理だ
靴も脱がされたので裸足でペタペタと歩いていれば、左右の監獄から汚い目線がビシビシと飛んで来た
女だ、女だと騒ぐ声は大きくなって獣のような鳴き声へと姿を変える
それはこれから私が入れられる牢獄も同じだった
「せいぜい死ぬまで獄中生活を楽しむんだな」
汚い男の目が向けられる中、抵抗することも出来ずに私の体は放り捨てられるように牢獄の中へと収まってしまった
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作者名：RIOT(別垢にいみ)
| 作成日時：2019年11月24日 23時
