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趣味: 放浪 ページ7

*



ローくん、腕出してと看護師が困ったようにおれを見る。どうせ点滴なんてしてもしなくても、おれの寿命は変わらないからとそれを拒絶した。



「また来るから、部屋から出ちゃだめよ」



おれはカワイソウな子供だ
不治の病に冒されて...待っているのは死ぬことだけ。両親は死んでいないから、親戚の奴らはおれを生かすための治療費は払ってくれない。


ただ、申し訳程度の入院費だけ払っているだけで心の中では"さっさと死んでくれ"とでも思っているだろう



腰かけていたベッドから下りて、徐に転がっていたぬいぐるみを抱き抱えて廊下を見る。よかった、さっきの看護師はいないようだ



「行くぞ、ベポ」



おれはベポという腕に抱いたシロクマのぬいぐるみを掴む力を強めて、静かに病室から飛び出した。


おれの顔は病院中に割れているから、抜け出すのは不可能かと思われるかもしれない。そういう時は、このベポを使って顔を隠しながら歩く。

何か面白いことはないかと、今日もおれは趣味の放浪を行った




「あ、キミってこの前の...!」




放浪し始めてまだ時間が経っていないというのに、もうバレたのかとおれは正面に立って声をかけてきた女を見上げた。


柔そうな金髪と長い下睫毛が印象的で、手にはいつぞやの缶ジュースが握られている
この前、夜に見かけた変な兄妹か____




「やっぱりお前ガキ臭いのが好きだったんだな」

「別に好きじゃないけどね、これはお見舞いにそこで買っただけ」




女は制服のようなものを着ているから、学校帰りなのだろう。どこへ行くにもつまらないし、コイツで遊んでやるかと彼女のスカートの裾を握った。



「おれも連れてけ」

「え?」

「暇なんだよ」



女はギョッとしていたが、何やら考えるように上を向いてから分かったと頷いた。了承されると思っていなかったから、此方が拍子抜けする。




「でも、着いてきても面白い人は入院してないよ」

「この前の悪そうな兄貴か?」

「違う、もう一人のお兄ちゃん」




女はスカートの裾を握っていたおれの手を取ると、ゆっくりと歩き始めた。おれの手に広がる白い痣を知ってか知らずか____


移る、移ると騒いできた同級生や今までの奴と違って、久々に握られた手にはじんわりと優しい温かさが広がっていた。

医者の息子→←フクザツ家族



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RIOT(プロフ) - さばちゃん@かんづめさん» コメントありがとうございます。更新の励みになります! (2019年12月10日 16時) (レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
さばちゃん@かんづめ(プロフ) - ショタのローが可愛くて好きです!!更新楽しみにしてます! (2019年12月3日 22時) (レス) id: 913017553b (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - 最新型のうさぎさん» コメントありがとうございます!これからまだ色んなキャラを出していこうと思っているので、楽しみにして貰えると嬉しいです! (2019年11月14日 21時) (レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
最新型のうさぎ - すっごい面白いです!!!尊い!!!推しが!!!たくさん!!!(語彙力崩壊)毎日覗きに来ますね!!!!!! (2019年11月14日 16時) (レス) id: e04dff07ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RIOT(別垢にいみ) | 作成日時:2019年11月13日 12時

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