同居人 K ページ25
*
ユースタス屋はおれが初めてまともに会話が出来た同い年の子どもだった
「ローくん、今日から同室になるユースタス・キッドくん。仲良くしてね」
初めて会ったときは、なぜ腕と足を骨折したやつ何かが、おれと同じ病室になるのだろうと疑問だった
しかし奴は挨拶代わりにおれにその理由を教えてくれた
看護師の言葉を無視していれば、奴の健康な方の指から放たれた輪ゴムがAから借りた本を読んでいたおれの額に当たる
ピリッとした痛みに眉を潜めれば、隣からはケタケタという嫌な笑い声が聞こえてきた
「間抜けな面してんな、トラファルガーだっけ?」
「...てめェ、殺されてェのか?」
おれは怒りをぶつけるように言った筈だが、ユースタス屋はすぐに違うものに話題を逸らした
故意なのか、バカなのか知らねェけど
「うげっ...何だよこの本。文字ばっかりじゃねェか!お前おれと同い年だろ、漢字とか読めんのかよ」
「お前と一緒にすんな、これは見舞いに来てる奴から借りた本だ。難しくて当たり前だろ」
難しいとは言っても、所詮高校の図書室の本だろうからそこまでおれにとっては難しい本ではない
Aはこんなの短時間で沢山読むのなんて無理、と苦しそうに言っていた。それについ、ちょっと笑ったけど
その時に自分は気付かないうちに思い出し笑いをしていたらしく、それをユースタス屋が目敏く見つけて笑う
「お前に見舞いに来る奴なんているのかよ!」
ユースタス屋のその言葉に、おれはキレることも泣くこともしない。だってこの間まではそれが当たり前だったから
でも、今は違う____
あのドンキホーテ一家という謎の家族が、今はなぜかおれの見舞いに来ているのだ
だから、ちょっと自慢げに"いる"と胸を張ってやればユースタス屋は驚いたような顔をした
まぁ、おれはこの病院でも、家族無しの難病者で有名だったから相当意外だったのだろうと思っていれば
ユースタス屋は何故か嬉しそうな顔をしてベッドに寝転ぶ
「ユースタス屋、何笑ってんだよ」
「いいや、お前も一人じゃねェんだなと思って」
ここで一番の悪ガキだってガキ病棟の奴らがビビってたから、てっきり一人だと思っていたと奴は笑う
おれにも一人だけ、見舞いに来てくれる奴がいるんだと奴はおれにその男の話をし始めた
話を聞いていれば、奴もおれと同じような感じがして
気がつけばAの話を嬉しそうに語っていた自分がいた____
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RIOT(プロフ) - さばちゃん@かんづめさん» コメントありがとうございます。更新の励みになります! (2019年12月10日 16時) (レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
さばちゃん@かんづめ(プロフ) - ショタのローが可愛くて好きです!!更新楽しみにしてます! (2019年12月3日 22時) (レス) id: 913017553b (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - 最新型のうさぎさん» コメントありがとうございます!これからまだ色んなキャラを出していこうと思っているので、楽しみにして貰えると嬉しいです! (2019年11月14日 21時) (レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
最新型のうさぎ - すっごい面白いです!!!尊い!!!推しが!!!たくさん!!!(語彙力崩壊)毎日覗きに来ますね!!!!!! (2019年11月14日 16時) (レス) id: e04dff07ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RIOT(別垢にいみ) | 作成日時:2019年11月13日 12時