一家団らん ページ22
*
病院の外へ出るときには、例の看護師と医者も頭を下げて"お大事に"と言ってきた
どの口が言う、と言いたかったけれどおれは笑顔で"お世話になりました"と頭を下げた
この病院には二日しかいなかったけれど、濃い時間を過ごしたと思う。原因の殆どはあのローというガキんちょのせいだが
「ロシー、荷物は後ろに乗せろ。あと助手席にはお前が座れ」
「はーい」
ドフィの外車に乗るのも久々で、何もかもが懐かしい。こんなにも家を離れるのが寂しいことだなんて思いもしなかった
おれは荷物を入れた大きな旅行鞄を車の後ろに乗せ、助手席に座る。Aが後部座席に乗り込んだのを確認すると、ドフィは慣れた手つきでエンジンをかけた
外車特有の少し派手なエンジン音が鳴って、病院が離れていく
Aをちら、とミラー越しに見てみれば恋しそうな顔でそちらをじっと見つめていた
恐らく、今もローのことを考えているのだろう
おれは、Aに今日の看護師の話をしようか迷っていた。多分この話をすれば、妹は昨日みたいに傷付くだろう
傷つけたくない、でもローのことはなるべく教えてやりたい
＿＿＿あぁ、一体おれはどうすりゃいいんだよ...！
うーん、と頭を抱えていればドフィは此方を見ていつもの変な笑い方でおれを笑う
なんだよ、微笑ましそうに見やがって。此方は本気で悩んでんだぞ、と言いたかったがそれを飲み込んで肩にパンチしてやった
「っぶねーだろうが、お前が辛気くさい顔してるから笑ってやったのに」
「余計なお世話だ！！あーもう...」
おれは頭を抱え前を見る、その道は家までの道と違って住宅街よりもっと街中へと入っていった。Aもスマホの画面から顔を上げて座席の間に顔を出してくる
「ドフィ、家に帰るんじゃないの？」
「退院祝いだ、どっかに食べに行くぞ」
「やった！！牡蠣以外でお願いします」
おれが気分よくそう言えば、ドフィは満更でも無いような顔をして高級焼き肉店へとハンドルをきった。
焼き肉はスゲー美味しかったし、Aもドフィも笑ってて久々にちゃんとした一家団らんが出来たと思う
＿＿＿＿でも、おれは
ここにローもいればな、なんて思うほどに
昨日のアイツの泣きそうな顔がチラチラと頭を過った
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RIOT(プロフ) - さばちゃん@かんづめさん» コメントありがとうございます。更新の励みになります！ (2019年12月10日 16時) (
レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
さばちゃん@かんづめ(プロフ) - ショタのローが可愛くて好きです！！更新楽しみにしてます！ (2019年12月3日 22時) (レス) id: 913017553b (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - 最新型のうさぎさん» コメントありがとうございます！これからまだ色んなキャラを出していこうと思っているので、楽しみにして貰えると嬉しいです！ (2019年11月14日 21時) (レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
最新型のうさぎ - すっごい面白いです！！！尊い！！！推しが！！！たくさん！！！（語彙力崩壊）毎日覗きに来ますね！！！！！！ (2019年11月14日 16時) (レス) id: e04dff07ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIOT(別垢にいみ)
| 作成日時：2019年11月13日 12時
