偶然 ページ3
＿＿＿＿＿＿
それは本当に偶然だった
冬だから、と言ってロシーが仕事帰りに鍋の具材を買ってきたのも。たまたまドフィがジョーラから蟹と牡蠣のお裾分けを貰ったのも。
そして...
「ぐぉおおお...マジヤバいおれ死ぬかもしんねェ」
ロシーが食中毒になったというのも。
救急車に乗せられながらストレッチャーの上でそうもがいていたのを見送って、私はドフィの車に乗る。
ロシーが搬送されたのは私たちの家からそう遠くない街中の総合病院だった。
「何でおれたちに何ともなくて、アイツは当たるんだ？」
「ロシーはドジっ子じゃん...ここまで来たら慢性的な気がする」
携帯に通知が入ったので開いてみると、ロシーのLINEが"死"を最後に終わっていた。
それでもドフィが慌てることなんてなくて、総合病院に着いたら着いたで受付の人と話をしてから、私に缶ジュースを買ってくれた。
「まだかかるみてェだから、終わるまでここで待ってろだとよ」
「じゃあゲームして待ってようよ」
「...お前はいつもそうだな」
兄の言ういつも、というのは多分私のマイペース加減。もう一人の兄が食中毒で悶えているというのに、私たちは受付で携帯ゲームに勤しんだ。
時間は刻々と過ぎていって、受付にいるのは遂に私たち二人だけ。
途端に静かで暗くなった受付が、病院ということもあってか凄く恐ろしい場所に感じてくる。
私はスマホを上着のポケットに突っ込んで、隣に座るドフィにくっついた
「どうした」
「いや...なんかこの病院、暗いしちょっと怖くない？」
オバケが出たらどうしよう、なんて自分でもアホらしい呟きが漏れればドフィはフフフ、と笑う。
彼がこの笑い方をするときはからかっていることが多い。
「案外そうかもな、病院と言やァ...まぁ、死にも纏わるっつーし」
「嘘でしょ、兄上やめてよ」
亡霊の一つや二つ、そうドフィが言ったとき...
私の首元にヒヤリと冷たい感触が伝わる。ドフィを見上げても何もしていないようだし...じゃあ、これは
「夜中にイチャイチャしてんじゃねーよ、バカップルが」
「ひゃあああぁ！！出たァァア！！」
耳元で囁かれたのは怨恨の言葉か、私は驚きのあまりに腰を抜かすようにしてドフィに雪崩れ込んだ
ドフィ自身も少しギョッとしたように、私の背後を見つめる
どんな恐ろしい幽霊が、と首を回してみれば＿＿＿＿
「こ、こども...」
そこには缶ジュース片手に冷ややかな目線を落としてくる、隈の酷い子供が立っているだけだった。
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RIOT(プロフ) - さばちゃん@かんづめさん» コメントありがとうございます。更新の励みになります！ (2019年12月10日 16時) (
レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
さばちゃん@かんづめ(プロフ) - ショタのローが可愛くて好きです！！更新楽しみにしてます！ (2019年12月3日 22時) (レス) id: 913017553b (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - 最新型のうさぎさん» コメントありがとうございます！これからまだ色んなキャラを出していこうと思っているので、楽しみにして貰えると嬉しいです！ (2019年11月14日 21時) (レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
最新型のうさぎ - すっごい面白いです！！！尊い！！！推しが！！！たくさん！！！（語彙力崩壊）毎日覗きに来ますね！！！！！！ (2019年11月14日 16時) (レス) id: e04dff07ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIOT(別垢にいみ)
| 作成日時：2019年11月13日 12時
