掴んで離さない ページ20
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今日はロシーの退院日なのでドフィも仕事は休みを取り、久々に三人で一家団らんを過ごそうという話になった
私も今日は土曜なので学校もなく、朝早くから病院へ行くための準備をしていた...
していたのだが_____
どうにも、昨日のことが頭を過る
ソファに寝転んで目を瞑れば、助けを求めるように手を伸ばしてきた昨日のローくんが瞼に焼き付いていて
一体、どうすればいいのだろう
先生はもしかするとローくんを病室に閉じ込めているかもしれない
...お見舞いに行きたい
けど昨日先生が言った通り、私たちはローくん何の関係もない赤の他人だ
でも血が繋がってなきゃ、知り合いじゃなきゃ心配しちゃいけないのか。いやそんなことは無い筈だ
...人を心配するのに理由なんていらない
一人でいるあの子ともっと、話がしたい
「A、そろそろ行くぞ。ロシーが待ってる」
「あ、うん」
ドフィは手で車のキーを弄びながら私を呼ぶ。私はその大きな背中を追いかけながら、心の中で強く決心した
もう守られるだけじゃない
次、もしローくんがあの手を伸ばしてくれるなら...次は絶対に掴んで離さない
ドフィとロシーが、父上と母上が死んでから私の手を握り続けてくれたように
病院は家からそれほど遠くもなく、車に揺られていれば15分程で着いた
車を降りたドフィの後ろをついてロシーの病室まで向かっていた時____
白い帽子がぴゃっと、私の側を走り抜けた
私は咄嗟に振り返って走り去っていく小さな背中に声をかける
「ローくん!」
「...」
ローくんはピタリと立ち止まるけど、こっちを見てはくれない。先生に部屋に閉じ込められているようなことは無くてよかった
そう思いつつも、昨日のことが思い出されて何て声をかけたらいいか分からない
一部始終を見ていたドフィは、訳が分からんという風に私とローくんを見比べた
「お前ら、見ないうちに随分仲良くなったんだな」
「別にそんなんじゃねェよ...」
ローくんは食い気味に否定してから私を見上げる。その腕の中には二匹のベポが可愛らしく収まっている
なぜかそれにとても胸を締め付けられる思いがして、私は無意識にローくんへ手を伸ばして
「は...?」
その小さな体を自分の腕のなかに押し込めた。当の本人は完全に動揺しているけれど、私を突き放そうとはしない
この子の寂しさや苦しみは計り知れなくて、でも少しでもそれを一緒に背負ってみたくて
私はローくんの小さな体を折れるほどに抱き締めた
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RIOT(プロフ) - さばちゃん@かんづめさん» コメントありがとうございます。更新の励みになります! (2019年12月10日 16時) (レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
さばちゃん@かんづめ(プロフ) - ショタのローが可愛くて好きです!!更新楽しみにしてます! (2019年12月3日 22時) (レス) id: 913017553b (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - 最新型のうさぎさん» コメントありがとうございます!これからまだ色んなキャラを出していこうと思っているので、楽しみにして貰えると嬉しいです! (2019年11月14日 21時) (レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
最新型のうさぎ - すっごい面白いです!!!尊い!!!推しが!!!たくさん!!!(語彙力崩壊)毎日覗きに来ますね!!!!!! (2019年11月14日 16時) (レス) id: e04dff07ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RIOT(別垢にいみ) | 作成日時:2019年11月13日 12時