ホワイト・コントラスト ページ15
*
Aが来た＿＿＿＿
それだけで、心がスッと落ち着いていくのが分かった。まだ会って三日目のコイツは、おれにとってはどんなに長い間世話をされてきた看護師よりも優しい奴に見えた
「それ、なに折ってるの？」
Aは柔らかな金髪を垂らしながら、おれの方を覗き込んできた。その髪は病室の窓から漏れる夕陽のオレンジに反射して、宝石のように光る
おれは素直に綺麗だな、と思ってそれに見惚れていた
「ローくん？」
「あっ...こ、れ」
「今度保育園で折り紙やるんだけどよ、園長が入院してんなら見本たくさん作ってこいって煩くて」
ハッとして質問に答えようとしても、変に緊張して思うように喋れない。コラソンはそれに気が付いたかのようにすぐに説明した。
Aは私もやりたい、と子供みたいに笑って桃色の折り紙を手に取る
コラソンがおれが教えてやるよ、と言っているがおれより下手くそだし、まず自分のをやれよと思う
「なんだよ、じゃあローが教えてやれよ」
「なんでおれが...」
「ローくん教えるの上手そうだし、よろしくお願いします」
手を合わせてお願いするようにこっちを見るAに引くに引けずに、おれは少しだけAに寄って折り紙に手を置く
綺麗な桃色の上に置かれた自分の手には、白い痣が昨日よりも広がっていて
自分でも気持ちが悪い、と思う
「ローくんの手、凄くちっちゃい」
嫌気がさして下ろそうとした手が掴まれ、優しく撫でられた。Aの細い指が優しくおれの白い痣を撫でる
「ローくん、病気と戦うのは辛いことかもしれないけど...私は応援するよ。ローくんが迷惑じゃないなら毎日お見舞いにもくる」
「...なんで、おれはお前とまだ会って三日しか経ってないんだぞ...」
率直に感じた疑問をぶつけてやれば、Aはそれもそうだねと笑いながら、鞄を漁り始める
そこから出てきたのはおれの隣に座っているベポと色違いの人形
「私、何だかローくんと話してると昔の自分を思い出すんだ。
父上も母上も死んじゃって、兄上たちも忙しくてあんまり構ってくれなかった頃と...何か似てて」
Aはおれに自分の持っていたベポの隣に、優しいピンク色のベポを並べた。コラソンはAとおれを見ると、どこか悲しそうに笑う
コイツらはおれの病気のことを知らない
事実を知ったら、罵って突き放すに決まってる
「ローくんは一人じゃないからね」
でも、おれは初めてかけられた優しい言葉を...
素直に信じてみたかった
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RIOT(プロフ) - さばちゃん@かんづめさん» コメントありがとうございます。更新の励みになります！ (2019年12月10日 16時) (
レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
さばちゃん@かんづめ(プロフ) - ショタのローが可愛くて好きです！！更新楽しみにしてます！ (2019年12月3日 22時) (レス) id: 913017553b (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - 最新型のうさぎさん» コメントありがとうございます！これからまだ色んなキャラを出していこうと思っているので、楽しみにして貰えると嬉しいです！ (2019年11月14日 21時) (レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
最新型のうさぎ - すっごい面白いです！！！尊い！！！推しが！！！たくさん！！！（語彙力崩壊）毎日覗きに来ますね！！！！！！ (2019年11月14日 16時) (レス) id: e04dff07ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIOT(別垢にいみ)
| 作成日時：2019年11月13日 12時
