コラソン ページ13
*
おれは昨日Aが帰った後に散々看護師にしぼられたが、懲りずにまたベポを抱いて病棟を彷徨いていた。
今日は、来るだろうか＿＿＿＿
そんなことを考えていたら、無意識におれは昨日Aと会った場所に立っていて...
柄にもなく期待なんかしてんじゃねェよ、と自分で自分に突っ込む
でも、おれの手のひらは昨日の温もりをまだ忘れていなかった
「あれ、お前は昨日のクソガキ...」
「なんだ...食中毒野郎」
「ちげーっつってんだろ！いや、まぁ違わないけど！！」
その呼び方ヤメロ、と目を吊り上げて怒るのはAのおこちゃまな方の兄貴。確かロシナンテと言ったっけ
奴は自販機で例のオレンジジュースを買うと、あ〜〜と決まりの悪そうな声を上げて頭を掻く
「Aなら、来るのは３時過ぎだぞ」
「別に待ってねェよ...歩いてただけだ」
「ケッ、可愛くねーの」
食中毒野郎は周りの看護師や医者達に隠れるようにこそこそしていたおれを見てから、ちょいちょいと手招きする
顔は"不本意だ"とでも言いたげだった
「お前また勝手に抜け出してきたな...匿ってやるからおれの部屋行くぞ」
「チッ...仕方ねェな」
「いや、それおれのセリフ！」
ロシナンテはむ、と顔をしかめるとベポを抱いていない方の手を自分の大きな手で包み込んだ。おれはビクリ、として立ち止まる
「コラソン」
男は若干怯えたような顔をしたおれを見下ろして、そう呟いた。コラソン...何かの名前だろうか
試しに何だよそれ、と聞いてみれば奴が仕事場で呼ばれているあだ名らしい
何かの漫画に出てくるキャラクターが、奴にソックリだということから呼ばれ始めた、と
「ロシナンテって長いだろ、もう食中毒野郎って呼ばれるの、おれ嫌だし」
そう呟くソイツの手を握り返せば、Aとは違ったゴツゴツした感触が伝わる
でも、やっぱりその温かさはアイツと同じもののような気がした
「バカコラソン」
「おい、バカは余計だバカは」
こら、と叱るような口調だったけれど嬉しそうに笑ったコラソンの間抜け面を見たら、何だかおれも笑えてきて
久しぶりにははは、と声を出して笑った気がする
本当にコイツといい、Aといい...
初めて会ったまともに接してくれる人間の存在はおれの中でどんどん大切なものへと膨れ上がっていくのに
そう、時間は掛からなさそうだった
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RIOT(プロフ) - さばちゃん@かんづめさん» コメントありがとうございます。更新の励みになります！ (2019年12月10日 16時) (
レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
さばちゃん@かんづめ(プロフ) - ショタのローが可愛くて好きです！！更新楽しみにしてます！ (2019年12月3日 22時) (レス) id: 913017553b (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - 最新型のうさぎさん» コメントありがとうございます！これからまだ色んなキャラを出していこうと思っているので、楽しみにして貰えると嬉しいです！ (2019年11月14日 21時) (レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
最新型のうさぎ - すっごい面白いです！！！尊い！！！推しが！！！たくさん！！！（語彙力崩壊）毎日覗きに来ますね！！！！！！ (2019年11月14日 16時) (レス) id: e04dff07ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIOT(別垢にいみ)
| 作成日時：2019年11月13日 12時
