HOLIDAY 3 ページ41
*
ベンチで三人並んで、アイスをペロペロと舐める
私のアイスは上から、『人魚姫の涙』『王子のバラ園』『陶器の国』というもので、どれもその情景を想像させるようなアイスクリームだった
貰ったアイスを舐めながらおじいさん眺めていた船長は、徐に口を開いた
「なぁ、アンタ...もしかして以前船乗りをしてなかったか？」
「お兄さん鋭いね、そうさ＿＿＿＿これはわしがとうの昔に訪れた、世界各地をアイスクリームにしたものじゃ」
「世界各地をアイスクリームに？」
確かに、情景を食べているようだと思ったのも、おじいさんが今まで旅してきたものを味で再現してたからなんだ
それなら、とてもロマンが詰まった素敵なアイスクリームをご馳走になっちゃったなぁ
ご馳走さまでした、とコーンに付いていた可愛らしいペーパーを懐に入れる
今日の記念に持って帰って、航海日誌に張り付けておこうと思ったのだ
「どれかお気に召したかい？」
「そうですね...どれも素敵だったんですけど、この"陶器の国"っていうのがキラキラしてて個人的に好きでした」
私の指差した先には、パールやら白い貝殻が散りばめられた"白い"アイスクリームがあった
おじいさんはとても思い入れがあるように、ショーケースの上からそれを撫でる
「ここはねェ...わしの一番の思い出の場所じゃよ」
「一番の...？」
「そう、北の海"フレバンス"」
ピクリ、と全員の肩が揺れる
フレバンスと言えば...船長の故郷
船長は何も言わず、おじいさんの話に耳を傾ける
「白い町・フレバンスはとても美しい町じゃった...話に聞くよう、国全体が童話の雪国のように一面真っ白で」
「しかし、わしはそこに着いた時に持病が悪化して倒れたんじゃよ」
船医にも手の打ち様がなく、もうダメだと思った時に駆け込んだ町の病院
そこの若い医院長が、自ら看病してくれておじいさんは一命をとりとめたという
「忘れもしないさ、フレバンスの町一番の名医のことは...」
船長はベンチから立ち上がると、わたしたちに行くぞと声をかける
もうですか、と言おうとしたが船長が通りすがりに言った言葉を聞いてそれは引っ込んだ
「あのおじいさん、素敵なアイスクリーム屋さんでしたね！」
「...そうだな」
私と船長とベポ、三人で歩いて帰る足取りはとても軽いものだった
「アンタの息子さん、元気でやってるようじゃのう...トラファルガー先生」
fin.
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aya(プロフ) - リクエストです。ドレスローザ編に入る前、ドフラミンゴの夢をみて怖がる夢主ちゃんにローが寄り添って心を落ち着かせるお話をお願い致します。 (2019年10月28日 10時) (
レス) id: 611a760f67 (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - ルナさん» コメントと以前のリクエストありがとうございます！書きたいとは常々思っているのですが、番外編という枠では済まなくなりそうなので、別に連載という形になりますが少し考えてみます！ (2019年10月28日 7時) (レス) id: f952b08383 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - いえいえ、お気になさらず！ リクエストをありがとうございました！ それはそうと、スタンピードの夢小説は書かないのですか？ (2019年10月27日 22時) (携帯から) (レス) id: 66cf0ac4ec (このIDを非表示/違反報告)
有害君 - 前回のリクエストにこたえてくださりありがとうございます！またリクエスト何ですがローが猫化する話をお願いします！夢主ちゃんがめちゃくちゃ可愛がっているときに効果がきれて二人共少し気まずくなる感じで！！ (2019年10月27日 22時) (レス) id: ee0db65bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - リクエストをお願いします！ 夢主がシロクマ風のモコモコファッションをしてローを悶絶させるお話が読みたいです！ シロクマの耳が着いた帽子+白いモコモコワンピースでローがメロメロになった姿が浮かんだので…！ (2019年10月27日 18時) (携帯から) (レス) id: 66cf0ac4ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIOT(別垢にいみ)
| 作成日時：2019年10月17日 0時
