隣人14 ページ14
*
スパイダーマンの言った通り、彼が去ってまもなく警察車両が荒れた店の前に次々と到着した
ガラスの散らばる店内に座り込む私の方へ、ピーターは全速力で駆けてきて、強く抱き締めた
＿＿＿スパイダーマンと、同じ暖かさ
あぁ、ピーターが無事で本当に良かった
「ピーター！無事でよかった...本当に」
「Aこそ、怪我が無くて本当に良かったよ＿＿＿」
ピーターは私を置いて警察に連絡した事を後悔しているみたいだったけど、それは違う
ピーターがスパイダーマンを呼んでくれなかったら私たち人質は皆死んでたかも
勿論、ピーターも例外じゃない
ピーターが勇気を出して警察を呼んでくれなかったら、スパイダーマンも心置きなく戦えなかったかもしれない
「ピーター、私、貴方ってちょっと臆病なのかと思ってた」
「ワォ...ショックだけど当たってるよ。僕は」
肩を落としてピーターは話を続けようとする
私はその唇を指で押さえた
「臆病、なんかじゃないよ。実は臆病なのは私の方」
「今日だって、本当は友達が一人も出来ないんじゃないかって不安だった」
クールに、それとなく振る舞おうと背伸びして誤魔化したのは臆病な私
本当は友達が欲しいのに、それを行動にすることすら出来なかった
「ピーター、貴方とぶつかってなかったら貴方と友達になれなかった。
私にぶつかってくれて、ありがとう。
私と食事をしてくれて、ありがとう。」
ピーターは、静かに私を胸の中へ引き寄せる
警察のサイレンや人質たちの声が響く喧騒の中
私たちだけが違う世界にいる様だった
＿＿＿＿＿＿
「ごめん、家まで送ってもらっちゃって」
お互いに赤くなった目を擦りながら帰路に着いた
あれから事件について詳しく話をと警察に捕まりそうになったところを急いで退散してきたのだ
「あんな事件の後だし、女の子一人で夜道は危ないよ」
また明日ね、と言う彼の後ろ姿に手を振る
もう辺りは暗い
今日一日、とても長かった
でも、二人で楽しく過ごした時間は短い
「ピーター！」
彼がくるり、と振り返った
私は髪をかき上げ、深呼吸をし、彼をじっと見つめる
「どうしたの？」
「あ、明日も＿＿＿＿」
"きっと、仲良くしてくれるよ"
次の言葉にどもった時、スパイダーマンの言葉が脳裏を過る
そうよ、ピーターの友人が言ってるんだもの
ここで変わらなければ、いつ変わるの？
「これからも、ずっと仲良くしてね」
この言葉が彼にちゃんと届いたかは分からない
あまりの恥ずかしさに、返事を聞く前に家のなかに入ってしまったのだから
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mj(プロフ) - ohhhhhh続き見たいです(TT)！！！！！！！！！！！ (11月11日 23時) (
レス) @page16 id: c09027b0bb (このIDを非表示/違反報告)
ノア - めっちゃ最高！！！続きが気になりすぎる………………！！！！ (2022年12月30日 15時) (レス) @page16 id: 4cb0fdc463 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 続きが気になりすぎる……更新されていなくても読んでしまう……！！！！ (2022年11月3日 23時) (レス) @page16 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
リノン - めっちゃ面白いんだけど笑笑 (2021年11月18日 2時) (レス) @page16 id: 857cfc6855 (このIDを非表示/違反報告)
夢者(プロフ) - なんて素晴らしいお話なんでしょう、更新停止であっても私は繰り返して読ませて頂きます、 (2020年8月15日 0時) (レス) id: f5c9ee6f69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIOT(別垢にいみ)
| 作成日時：2019年7月21日 23時
